新年度が来るたびに「今年こそは」と思いませんか。去年の仕事をひとつひとつ振り返ってみると、気がつくことがあります。疲れていたのは仕事の量のせいだけじゃなく、道具がいまいちだったせいかもしれない、と。
私も数年前まで、「使えればいい」という基準で周辺機器を選んでいました。千円のマウス、付属の充電器、乱雑に溜まったメモ帳。それが普通だと思っていたし、道具に投資する発想自体がなかった。でも、あるとき思い切って道具を変えてみたら、作業の密度がまったく変わった。「もっと早く変えればよかった」と、正直後悔しました。
毎日使うものを、少しだけ本物にするだけでいい。今回は、実際に使って「これは変えてよかった」と思える3アイテムを、正直な言葉で紹介します。
マウスを変えるだけで仕事の密度が変わる:Logicool MX Master 3S
マウスほど「安いものを使い続けがち」なアイテムはないと思います。本体1,000〜2,000円の有線マウスを数年使っている、という人は意外と多い。でも、毎日何時間も手を添えるものを、コーヒー1杯分のコストで使い続けていいのか。一度疑ってほしい道具です。
Logicool MX Master 3Sは、7ボタンを自由にカスタマイズできるハイエンドマウスです。もっとも特徴的なのが、MagSpeedスクロールホイール。普通のホイールとは別に、横スクロール専用のサムホイールが搭載されており、Figmaや大きなスプレッドシートを扱うデザイナーには文字通り革命です。
実際、Figmaでアートボードをサムホイールで横スクロールできるようになってから、デザイン作業の手が止まらなくなりました。「また画面端まで来た、スクロールし直し」というプチストレスが消えると、集中が途切れにくくなる。些細に見えて、積み重なると大きな差です。
Bluetooth接続対応で、最大3台のデバイスをボタン一つで切り替えられます。充電式でフル充電から約70日使えるので、乾電池交換の手間もありません。
価格は約13,000円。でも、1日8時間使うとして、3年間使い続けたとすると、1日あたり約12円。「仕事の道具」として見れば、この価格は安いと気づくはずです。
充電ストレスを完全に消した:Anker Prime 65W 3ポート充電器
カフェで作業中、充電器を持ってくるのを忘れた。残量が減ってきてバッテリーが気になり始めると、集中が途切れる。打ち合わせ先でMacBookが充電できなくてヒヤヒヤした——そういう経験、一度はあるのではないでしょうか。
充電環境の整備は、地味だけど確実に仕事のコンディションを変えます。
Anker Prime 65W 3ポート充電器は、USB-C×2ポートとUSB-A×1ポートを搭載したコンパクトな充電器です。3ポート同時使用でも最大65Wを供給でき、MacBook Air/Proへの急速充電が可能。スマートフォンとタブレットを同時充電しても、パワーが分散しすぎず実用的な速度を保てます。
65W充電器はAnker以外にも複数のメーカーから出ていますが、Anker Primeを選んだのはサイズ感と発熱のバランスです。同スペックの競合製品と比べると本体が小さく、長時間使っても触れる程度の温度を保ちます。カバンに一つ常駐させておく「外出用充電器」として、実用性に無駄がない。
「MacBook本体に付属している充電器はデカくて重い」という不満を感じていた人は特に、交換する価値があります。これ一個でノートPC・スマホ・ワイヤレスイヤホンをまとめて充電できると、外出時の荷物が確実に減ります。約7,000円。MacBookユーザーのフリーランスなら、「あって当然」のアイテムになるはずです。
手書きをやめていた人が戻ってくる:ツバメノート B5 方眼
Notionも使っている。Obsidianも使っている。iPhoneのメモアプリも使っている。それでもなぜか、頭の中が整理されない——そういう感覚を持っている人に、手書きノートを試してほしい。
デジタルツールは情報を「保存する」のが得意です。でも、アイデアを「育てる」のは手書きのほうが向いていることがある。脳と手が直結している感覚とでも言えばいいか。タイピングの「整理しながら入力する」プロセスとは違う、荒削りな思考がそのままスケッチされていく感じです。
私の場合、打ち合わせ前のブレインダンプにこのノートを使っています。クライアントへの提案内容をNotionにまとめる前に、まずページいっぱいに殴り書きする。そうすると、デジタルだけで考えていたときには出てこなかった構成の抜けや、気になっていた懸念点が浮き上がってきます。「書くことで考える」感覚は、手書きにしかない。
ツバメノート B5 方眼は、国産の老舗ノートメーカー・ツバメノートが作る、シンプルな方眼ノートです。特徴は紙質。ボールペンでも万年筆でも、インクがにじまず裏写りしにくい。書く道具を選ばないから、こだわりのペンを使いたい人にも向いています。方眼罫は、UIのラフスケッチや図を描くときに特に重宝します。
価格は約500円。デジタルオンリーで過ごしてきた人が、手書きの感覚を取り戻す入り口として、これほど始めやすいものはないと思います。
まとめ:新年度に仕切り直すなら、「毎日触るもの」から変えよう
今回紹介したのは、この3つです。
- Logicool MX Master 3S:毎日触るマウスをアップグレードして、仕事の密度を上げる
- Anker Prime 65W 3ポート充電器:充電ストレスを消して、外でも在宅でも集中を切らさない
- ツバメノート B5 方眼:手書きに戻って、デジタルでは出てこないアイデアを掘り起こす
3つ合わせても約20,500円。大型投資ではありません。でも、「毎日使うものが少し良くなる」という変化は、半年後・1年後の仕事の積み重ねに確実に効いてきます。
道具は、才能を底上げしてくれるものではありません。疲れを減らして、集中を持続させて、気持ちよく仕事ができる環境を整えるためのものです。新年度という節目に、自分の仕事環境を見直すきっかけになれば。

