引っ越しの見積もりを取って、金額に驚いた人は多いと思います。
運ぶ荷物は同じ。距離も同じ。なのに、時期が違うだけで倍近くになる。 引っ越し代は、そういう値段の決まり方をしています。
裏を返せば、条件を少し動かすだけで大きく下がるということです。しかも下がり幅が大きい。電気代や水道代の節約が月に数千円の話だとすれば、こちらは一度で数万円動きます。
いちばん効くのは、時期

順番をはっきりさせておきます。時期がすべてです。
目安として、こういう差が出ます。
| 時期 | 単身の相場の目安 |
|---|---|
| 3月 | 約14万円 |
| 4月 | 約10万円台 |
| 5月以降 | 6万〜7万円台 |
| 10月 | 約6万6千円 |
3月と10月で、7万円以上違います。 家族での引っ越しだと3月は約24万円まで上がり、通常期との差は10万円を超えます。
安いのは10月から2月、なかでも11月・12月・1月です。件数が少ない月ほど下がります。
この金額は目安です。 年によっても地域によっても、業者によっても変わります。実際の金額は必ず複数の見積もりで確かめてください。
3月下旬の土日は、別世界
繁忙期のなかでも突出しているのが3月下旬です。
通常期の3〜4倍の見積もりが出ることもあります。ここだけは、ほかの工夫で埋められる差ではありません。
4月に入っても、まだ高い
「4月になれば落ち着く」と思われがちですが、4月もまだ高い水準です。
本当に下がり始めるのは5月以降。学校や勤務の都合で3月しか選べない人は多いですが、数日だけでも前倒しできないかは考える価値があります。3月上旬の平日まで動かせれば、それだけで金額が変わります。
日程を動かせないときの順番
3月から動かせない人のほうが多いと思います。その場合、効く順番はこうです。
- 時間帯を業者に任せる
- 荷物を減らす
- 複数の業者から見積もりを取る
曜日は、思ったほど差がない
意外かもしれませんが、平日か土日かの差は、時期・時間帯・荷物量にくらべると小さいといわれています。
「平日にすれば安くなる」と聞いて有給を取る人がいますが、繁忙期の3月下旬なら平日でも高い。曜日をずらすより、次に書く時間帯のほうが効きます。
時間を指定しない
これがいちばん手軽で、効果もはっきりしています。
引っ越しの時間帯には、こういう区分があります。
- 午前便 … 人気があり、いちばん高い
- 午後便 … 前の現場が終わってから来る
- フリー便(時間指定なし) … 業者が開始時刻を決める
フリー便は安くなります。 業者からすると、トラックと作業員の配置を自由に組めるからです。
デメリットもはっきりしています。開始時刻が読めません。 午前に来ることもあれば、夕方になることもある。その日は予定を入れずに空けておく必要があります。
逆に言えば、時間に融通が利くなら、これを選ばない理由がないということです。
大安は高くなりやすい
お日柄を気にする人が集中するので、大安は平日でも少し高くなる傾向があります。
気にしないなら、そこを外すのもひとつです。ただし効果は限定的なので、ほかの条件を優先してください。
荷物を減らすと、トラックと人が減る

ここはダンボールの数ではなく、大きいものの話です。
引っ越し代は、トラックの大きさと作業員の人数で決まります。だから、小物をいくら詰め直しても金額は変わりません。効くのはこちらです。
- ソファや本棚を処分してトラックがひとつ小さくなる … 1万〜2万円
- ベッドや冷蔵庫を処分して作業員がひとり減る … 1万5千〜2万円
大型の家具を1つ手放すと、万単位で変わるということです。新居で買い替えるつもりのものがあるなら、運ばずに処分したほうが安く済みます。
処分は1か月半前から動く
ここが実際にいちばん詰まるところです。
自治体の粗大ゴミ回収は予約制で、3月は予約が埋まります。 退去の直前に申し込んでも、回収日が引っ越しのあとになることがある。そうなると、空っぽの部屋に家具だけが残ります。
断捨離は引っ越しの1か月半前を目安に始めてください。直前の忙しい時期にまとめてやろうとすると、まず終わりません。
処分の方法は、だいたいこの4つです。
- 自治体の粗大ゴミ回収(安いが、予約が要る)
- 引っ越し業者の引き取り(同時に済むが、有料のことが多い)
- 不用品回収業者(早いが、料金は幅がある)
- フリマアプリ・リサイクルショップ(売れるが、時間がかかる)
フリマアプリは、売れるまでと発送までの時間を見込んでください。 引っ越し前日に売れ残っていると、結局ゴミになります。
見積もりは複数社から取る
同じ条件を出しても、業者によって基本料金も人件費も違います。
1社だけで決めると、それが高いのか安いのか分かりません。他社の見積もりを見せて交渉すると、値引きやオプションの無料化を提案されることもあります。
ひとつだけ先に言っておくと、一括見積もりのサイトを使うと、直後に営業の電話やメールがまとめて来ます。 手間が嫌な人は、自分で2〜3社に絞って個別に連絡するほうが落ち着いて進められます。
埋まってしまうと、値段の問題ではなくなる
繁忙期の3月は、1か月前でも予約が取れないことがあります。
安いプランを探しているうちに、そもそも引き受けてくれる業者がなくなる。これが起きると、価格交渉どころではありません。
日程が決まったら、その日のうちに見積もりを依頼する。 3月に引っ越すなら、これが最優先です。
細かいところで減らせるもの
- ダンボールは無料でもらえることが多い(業者のサービス、スーパーの空き箱)
- 自分の車で運べるものは運ぶ(近距離なら効きます)
- エアコンの取り外しと取り付けは別料金。見積書に入っているか確認する
- 洗濯機の設置、ベッドの分解と組み立てもオプション扱いのことがある
見積書の「一式」の中身を確認してください。 あとから追加で請求されるのは、たいていこのあたりです。
退去と、新生活のお金
引っ越しの前後は、お金を見直すのにいちばんいいタイミングです。
退去の前には部屋の掃除が要ります。時間がないなら、水回りだけでも先に手をつけておくと当日が楽になります。段取りの考え方は 大掃除はいつから始める? と同じで、日を分けるほうが確実です。
敷金の返還や原状回復で費用が分かれた場合は、国土交通省のガイドラインが目安になります。 契約内容によって扱いが変わるので、納得できないときは管理会社に根拠を確認してください。
新居に入ったら、電気・ガス・水道の契約を決めることになります。ここは固定費を見直す絶好の機会です。何もない状態から選べるので、いま使っているものを変えるより心理的に楽に決められます。
電気の使い方は 一人暮らしの電気代を下げる方法、水回りは 水道代を下げるための節水術 にまとめています。引っ越し直後のほうが、習慣として定着しやすいです。
まず動かすのは、この3つ
全部やる必要はありません。金額への効き方が大きい順に、この3つです。
- 日程を動かせないか考える(3月下旬を外せれば、ほかの工夫は要らないくらい変わる)
- 時間帯を業者に任せる(フリー便。その日を空けるだけ)
- 大型の家具を1つ減らす(1か月半前から動く)
あとは、日程が決まったらすぐ見積もりを依頼することです。
まとめ
- 引っ越し代は時期で倍近く変わる。節約の効き方が桁違い
- 単身の目安は3月が約14万円、10月が約6万6千円。差は7万円以上
- 家族は3月が約24万円。通常期との差は10万円を超える
- 安いのは10月〜2月。とくに11月・12月・1月
- 金額は年・地域・業者で変わる。必ず複数の見積もりで確かめる
- 3月下旬は通常期の3〜4倍になることもある
- 4月もまだ高い。下がり始めるのは5月以降
- 3月上旬の平日まで前倒しできれば効果が大きい
- 曜日の差は小さい。平日にするより時間帯のほうが効く
- フリー便(時間指定なし)は安い。その日を空けられるなら選ぶ
- 大安は少し高くなりやすい
- 効くのは箱の数ではなく大型の家具
- ソファや本棚でトラックが小さくなれば1万〜2万円
- ベッドや冷蔵庫で作業員がひとり減れば1万5千〜2万円
- 処分は1か月半前から。3月は粗大ゴミの予約が埋まる
- フリマアプリは売れるまでと発送の時間を見込む
- 見積もりは複数社。他社の金額を見せると交渉できる
- 一括見積もりは直後に営業の連絡がまとめて来る
- 3月は1か月前でも埋まる。日程が決まったらその日に依頼する
- エアコンの着脱・洗濯機の設置はオプションのことがある。見積書で確認
- 新居の電気・ガス・水道は固定費を見直す機会として使う

