「子どもたちに何を伝えたいのか」見失っていませんか?
日々の授業準備に追われ、行事や保護者対応に追いつけず、放課後も職員室でパソコンとにらめっこ。教員という仕事は「時間との勝負」でもありますよね。
そんな中で、ふと立ち止まる瞬間があります。
- 「あれ、この子たちに、私は何を伝えたいんだっけ?」
- 「この教材、本当に意味があるんだろうか?」
- 「毎日流されるように指導してしまっているかも…」
子どもたちの笑顔に救われる一方で、「教えること」の意味や、「先生」という存在の本質に、自信が持てなくなる時もありますよね。
この記事では、そんなモヤモヤをやさしくほどいてくれる映画『クレクス先生のふしぎな学校』をご紹介します。
映画『クレクス先生のふしぎな学校』とは?

画像引用:Netflix
作品情報
- タイトル:クレクス先生のふしぎな学校(原題:Akademia pana Kleksa)
- 公開年:2024年製作
- 監督:マチェイ・カブルスキ
- 上映時間:129分
- ジャンル:ファンタジー、教育ドラマ、アドベンチャー
- 配信/DVD:Netflixで配信中(※2025年5月現在)
あらすじ(ネタバレなし)
舞台は、とある町にひっそりと存在する「ふしぎな学校」。ここに通うのは、どこか「普通の学校」では馴染めなかった子どもたち。
教師として現れるのは、謎めいた人物、クレクス先生。彼の教え方は奇想天外で、教室のルールもどこか変わっています。でも、彼の授業には毎回子どもたちの目が輝きます。
「なぜ、子どもたちは学びたくなるのか?」
「正しさだけでは届かない何かって?」
そんな問いが物語を通じて、観る者に静かに、そしてやさしく投げかけられます。
どんな先生におすすめ?
この映画は、あらゆる立場の先生に響く内容ですが、特に以下のような先生におすすめです。
授業がマンネリ化してきたと感じる先生
「子どもが反応してくれない」「発問が響かない」「評価のためだけの授業になっている気がする」
そんな日々に心当たりがあるなら、クレクス先生の常識にとらわれない授業にきっと刺激を受けます。
この映画は、「カリキュラム通り」に縛られていた発想を、いい意味で壊してくれます。奇抜な授業の裏にある子どもを見る目は、リアルな現場にも通じるものがあるかもしれません。
特別支援や個別指導に関わっている先生
映画に出てくる子どもたちは、一見すると「問題を抱えた子」「扱いづらい子」と映るかもしれません。でもクレクス先生は、そのラベルを外し、一人ひとりの声に耳を傾けます。
この姿勢に、多くの先生が救われるはずです。
「発達障害のある子に、どう関わればいいのか悩んでいる」
「みんなと同じ活動ができない子に、“居場所”をつくってあげたい」
そんな先生がこの映画を見ると、「正解を探すこと」よりも「その子にしかない良さを見ること」の大切さに気づかされるでしょう。
若手・新人の先生や教育実習生
理想と現実のギャップに悩む若手の先生、初めての教育実習で迷子になっている実習生にも、この映画はぴったりです。
クレクス先生の姿からは、「型にはまらない教え方」が学べるだけでなく、「先生自身が楽しんでいること」の大切さも伝わってきます。
「完璧な先生」じゃなくてもいい。
「子どもに寄り添いたい」という気持ちがあれば、それだけで十分なのかもしれません。
教師という仕事を再発見する映画体験
『クレクス先生のふしぎな学校』は、いわゆる「教育映画」のジャンルには収まりません。けれど、現場で働く私たちにこそ響くメッセージが、静かに、そして深く描かれています。
- 正しさより、おもしろさ。
- 型より、その子らしさ。
- 答えより、問いかけ。
それは、私たちが日々追いかけているものを、少しだけやさしく変えてくれる魔法のような視点です。
まとめ:少し疲れた夜に観てほしい1本
『クレクス先生のふしぎな学校』は、単なるファンタジーではありません。忙しい毎日のなかで、つい忘れてしまいがちな教えることの原点を、そっと思い出させてくれる映画です。
- 授業に行き詰まりを感じているとき
- 子どもたちと向き合う気力が少しだけ弱ったとき
- 自分の教師像を見失いかけたとき
そんなときこそ、この映画を観てみてください。
夜、紅茶をいれて、ひと息つきながら。
映画の余韻が、きっと翌朝の教室を、ほんの少しあたたかくしてくれます。
もし「よかった」と思ったら、同僚の先生にもぜひ教えてあげてくださいね。先生たちの間で、やさしい教育の種が静かに広がっていきますように。