12月も後半になると、そろそろ考えはじめます。甥や姪、孫、親戚の子。何人いて、いくら包むのか。
相場を調べれば数字は出てきます。でも実際に悩むのはそこではなく、「うちの家はどうするか」を決められないことです。多く渡しすぎると相手に気を遣わせ、少なすぎると気まずい。去年より減らしにくい。兄弟の家と食い違うと角が立つ。
金額の目安と、そこから先の決め方をまとめます。
前提:あげない家庭がいちばん多い

意外に思うかもしれませんが、調査では「お年玉をあげない」が約4割(37.6%)で最多でした。あげる家庭でも、いちばん多かったのは1,000円台で約2割です。
つまり、「みんな相場どおりに渡している」というのは思い込みです。
親が自分の子に渡さない家庭もあれば、親戚の子にだけ渡す家庭もあります。世間の平均に合わせなければいけない決まりはどこにもありません。この前提を持っておくと、金額を決めるのがずいぶん楽になります。
年齢別の目安
そのうえで、一般的な目安です。
| 対象 | 金額の目安 |
|---|---|
| 未就学児 | 500〜1,000円 |
| 小学生(低学年) | 1,000〜3,000円 |
| 小学生(高学年) | 3,000〜5,000円 |
| 中学生 | 5,000円 |
| 高校生 | 10,000〜20,000円 |
小学校低学年では1,001〜3,000円が50.3%と半数を占め、高学年になると1,001〜3,000円が40.9%、3,001〜5,000円が37.6%とほぼ拮抗します。高学年が「上げどき」の境目になっているのがわかります。
子どもが受け取る年間の総額は、小学生でおよそ2〜3万円、中学生で3〜4万円、高校生で4〜5万円あたりが目安です。
金額は「切りのいい数字」にする
3,000円、5,000円、10,000円。半端な額にすると、渡すほうも受け取るほうも扱いに困ります。500円玉1枚というのも、未就学児には十分に成立します。
相場より大事な3つの決め方

金額表よりも、こちらのほうが実際には効きます。
決め方1:兄弟・親戚とすり合わせておく
いちばんトラブルになりやすいのがここです。自分の家は3,000円、相手の家は10,000円。子どもの数も違う。こうなると、次の年から気まずさが残ります。
「小学生は一律3,000円にしよう」と先に決めておくだけで、この問題はほぼ消えます。年末に一度連絡して、金額を合わせておく。気まずい話に見えて、実際は双方が助かります。
決め方2:あげる範囲を先に決める
範囲を決めていないと、毎年その場の空気で判断することになります。
- 自分の子だけ
- 甥・姪まで
- 親戚の子ども全員
- 会った子だけ渡す
「会った子だけ」も立派なルールです。年に一度も顔を合わせない子にまで郵送している、という状態になっているなら、一度見直してもいいと思います。
決め方3:いつまで渡すか決めておく
調査では、高校卒業(18歳ごろ)までが最多で31.3%、次いで大学・専門学校(20〜22歳ごろ)までが23.1%でした。
もうひとつの基準が、自分でお金を稼ぎはじめたら終わりという考え方です。アルバイトを始めた時点で区切る家庭も少なくありません。
どちらでも構いませんが、先に決めて本人に伝えておくと揉めません。「高校を出たらおしまいね」と早い段階で言っておけば、いきなり途切れて不満が残る、ということが起きません。
もらう額と渡す額は釣り合わない
子どもの人数に差があると、渡す額と受け取る額が合いません。こちらは子ども1人、相手は3人。同じ金額を包めば、こちらの持ち出しが3倍になります。
これはどうやっても解消しないので、割り切るしかありません。気になるなら、金額を下げてでも人数の多い家に合わせるか、最初から「子ども1人あたりいくら」ではなく「その家に合計いくら」で考えるか。家ごとの総額で見ると、気持ちの上では収まりやすくなります。
キャッシュレスで渡す家庭が増えている
ここは数年で明確に変わりました。20歳以下の38.5%が「スマホのキャッシュレス決済で受け取りたい」と答えています。前年の30.5%から大きく増えました。
中学生や高校生になると、現金より電子マネーのほうが実際に使いやすいという事情があります。ただし、いくつか注意点があります。
- 年齢制限がある … 未成年の口座開設や送金には制限がかかるサービスが多い
- 親の同意が要ることがある … 送る前に相手の親に確認する
- 記録が残らない … 誰にいくら送ったか、自分で控えておく
- 「もらった実感」は薄い … 小さい子どもには現金のほうが伝わる
現実的なのは、小さい子には現金、中高生には希望を聞くという分け方です。相手の親に一言確認してから決めると確実です。
ポチ袋のマナー
細かい話ですが、知っておくと迷いません。
新札を用意する
お祝い事には新札を使うのが基本です。「前もって準備していました」という意思表示になります。用意できなければ、できるだけシワのないきれいなお札で構いません。年末の銀行窓口は混むので、12月の早いうちに両替しておくと楽です。
折り方は三つ折り
- お札の表(肖像画のある面)を上にして置く
- 左から3分の1を折る
- 右から3分の1を折る
四つ折りは避けます。「4」が「死」を連想させるためです。折り目は強くつけすぎないほうがきれいに収まります。
入れる向き
ポチ袋の表を手前にして、三つ折りにしたお札の右側が上に重なった向きで入れます。こうすると、受け取った人が開いたときに肖像画のある表面がすぐ現れます。
硬貨を入れる場合は、製造年が書かれていない面(絵柄のある面)を表にして入れます。
袋の書き方
表に相手の名前、裏に自分の名前を書きます。子どもが複数いる家では、名前がないと誰の分かわからなくなります。渡す直前に慌てないよう、先に書いておくのが確実です。
渡すタイミング
三が日(1月1日〜3日)のうちに渡すのが基本です。
年始に会う予定がないなら、松の内(地域によって1月7日または15日まで)のうちであれば違和感はありません。それも過ぎるようなら、「お年玉」ではなく「お小遣い」として渡すほうが自然です。
なお、喪中の家に渡す場合は、紅白の水引や「お年玉」の表書きを避け、白無地の袋に「お小遣い」として渡すと角が立ちません。
もらったあと、どう扱うか
自分の子どもが受け取った分をどうするか。ここも毎年もめるところです。
- 全額渡す … 金額が大きいと使い切ってしまう
- 全額預かる … 納得しないまま取り上げると不信感が残る
- 一部を渡して、残りを貯金 … いちばん現実的
「いくらまでは自由に使っていい、残りは貯金」と最初に伝えるのがおすすめです。金額を隠して預かると、あとで発覚したときに関係がこじれます。
年に一度、まとまったお金を手にする機会は、お金の使い方を教える数少ないチャンスでもあります。何を買うか一緒に考える時間に使えると、金額以上の意味が出ます。
年末年始の準備でいえば、サンタはいつまで信じる? も同じ時期の悩みです。年始の予定を立てるなら 初詣はいつまでに行く? も参考にしてください。
まとめ
- あげない家庭が約4割(37.6%)で最多。相場に合わせなければいけない決まりはない
- 目安は未就学児500〜1,000円、小学校低学年1,000〜3,000円、高学年3,000〜5,000円、中学生5,000円、高校生1〜2万円
- 金額は切りのいい数字にする。半端な額は扱いに困る
- 兄弟・親戚とすり合わせるのがいちばん効く。「小学生は一律3,000円」で揉めごとが消える
- あげる範囲を先に決める。「会った子だけ」も立派なルール
- いつまで渡すか決めて、本人に伝えておく。高校卒業までが最多で31.3%
- 渡す額と受け取る額は釣り合わない。家ごとの総額で考えると気持ちが収まる
- 20歳以下の38.5%がキャッシュレス希望。中高生は希望を聞き、相手の親にも確認する
- 新札を用意する。用意できなければシワのないお札で構わない
- 三つ折り。四つ折りは避ける。表を上にして左から右の順に折る
- ポチ袋には名前を書く。子どもが複数いる家では必須
- 三が日のうちに渡す。遅くなるなら「お小遣い」として渡す
- もらったあとは「いくらまで自由、残りは貯金」と先に伝える

