冬の部屋干しは、とにかく乾きません。
夏なら半日で乾くものが、丸一日たってもまだ冷たく湿っている。取り込んだつもりが生乾きで、たたんだあとににおいが出る。
これは干し方が下手なのではなく、冬という条件のせいです。ただし、条件を1つ変えるだけで、かなり短縮できます。
冬に乾かない理由
洗濯物が乾くというのは、水分が空気中に移っていくことです。そして、空気が抱えられる水分の量は、温度によって決まります。気温が下がると、空気が抱えられる量そのものが減る。だから、洗濯物から水分が出ていきにくくなります。
冬の部屋干しが乾かないのは、気温が低いからです。湿度だけの問題ではありません。
乾く条件は3つ
具体的には、この3つが揃うと乾きます。
| 条件 | 目安 |
|---|---|
| 気温 | 25℃以上 |
| 湿度 | 50%以下 |
| 風通し | 空気が動いていること |
冬の室内は、暖房を入れても20℃前後。3つのうち、気温と湿度はどうしても不利です。だからこそ、残った1つ「風」で稼ぐのが現実的な答えになります。
いちばん効くのは風

扇風機かサーキュレーターを、洗濯物に当ててください。
これが単独でいちばん効果が大きい対策です。空気が動かないと、洗濯物のまわりに湿った空気の層ができて、そこで乾燥が止まります。その層を吹き飛ばすのが風の役割です。
- 洗濯物の下から、斜め上に向けて当てる
- 首振りにして、全体に風を回す
- 弱くていいので、乾くまで回し続ける
サーキュレーターの消費電力は数十W程度です。乾燥機や暖房を長時間つけるより、はるかに安く済みます。なお、サーキュレーターは暖房費の節約にも効きます。使い方は 冬の暖房費を下げる方法 にまとめました。
干し方で30分変わる

配置を変えるだけで、乾く時間が縮みます。
アーチ干しにする
角ハンガーの両端に長いものを、中央に向かって短いものを干します。全体がアーチ型になる配置です。
中央に大きな空間ができて、風が抜けるようになります。従来の干し方に比べて、30分ほど早く乾くとされています。道具も費用もいりません。並べ方を変えるだけです。
間隔はこぶし1つ分
約10cmが目安です。隙間なく詰めると、そこだけ湿った空気が滞留します。干せる枚数が減るなら、2回に分けたほうが結果的に早いです。
厚手と薄手を交互に
厚手のものを続けて干すと、乾きにくい場所が固まります。薄手と交互に並べると、乾いた衣類のほうへ水分が移動しやすくなり、全体が早く乾きます。
裏返す・広げる
- ポケットのある服は裏返す … ポケットの内側がいちばん乾きません
- フードは別に干すか、立てる … 重なった部分が残ります
- ズボンは筒状に干す … ピンチで吊るして空洞を作ります
- 厚手のタオルは両端をずらす … 半分に折らず、片側を長くします
洗う段階でできること
干す前の工程も効きます。
- 脱水を長めにする … 部屋干しのときは、いつもより長く回す
- 洗濯機に詰め込みすぎない … 脱水が甘くなります
- 乾いたバスタオルを1枚入れて脱水する … 水分を吸ってくれます
脱水がいちばん確実です。乾燥は水分を飛ばす作業なので、干す前に水分を減らしておくほど有利になります。
場所と道具
干す場所
- 部屋の中央が理想 … 壁際は空気が動きません
- カーテンレールは避ける … 窓際は寒く、結露も移ります
- エアコンの風が回る位置に置く
窓際に干すのは、冬はいちばんよくないです。外気で冷えているうえ、結露の水分が加わります。
除湿機があるなら
人がいない部屋なら、除湿機がいちばん速いです。閉め切って、除湿機と扇風機を一緒に回すと短時間で乾きます。生活している部屋では、暖房の風を使うほうが現実的です。
浴室乾燥があるなら
浴室は部屋干しに向いています。狭いので湿度が下がりやすく、換気扇も付いています。浴室乾燥機がない場合でも、浴室に干して換気扇を回すだけで、居室に干すより早く乾くことがあります。
においを出さないために
冬でも生乾き臭は出ます。においの原因は菌で、濡れている時間が長いほど増えます。
5時間以内に乾かすのが目安とされています。冬はこれが難しいので、風を当てて時間を短縮するのが、においの対策にもなります。夏場の部屋干しやにおいの落とし方は 洗濯物の生乾き臭を防ぐ方法 にまとめています。
部屋干しは、加湿にもなる
ここは表と裏の関係です。部屋干しをすると、その水分は部屋の空気に移ります。つまり、部屋干しは加湿です。
冬は乾燥するので、これは悪いことではありません。喉や肌のためには、むしろ好都合です。実際、加湿器を使わずに湿度を保つ方法として、部屋干しがいちばん効果が大きいです。
ただし、早く乾かしたいなら湿度は50%以下が必要です。ここが矛盾します。どちらを優先するかで、やることが変わります。
- 乾かすのが目的 … 風を当てる、除湿機を使う、換気する
- 加湿が目的 … 風は当てず、締め切った部屋でゆっくり乾かす
そして、湿度が60%を超えると結露とカビが出ます。部屋干しで湿度が上がりすぎていないか、湿度計で見ておくと安心です。詳しくは 部屋の乾燥対策 にまとめました。
まとめ
- 冬に乾かないのは干し方の問題ではなく、気温が低いから
- 空気が抱えられる水分の量は温度で決まる。気温が下がると水分が出ていきにくい
- 乾く条件は気温25℃以上・湿度50%以下・風通しの3つ
- 冬は気温と湿度が不利。だから「風」で稼ぐのが現実的
- いちばん効くのは扇風機かサーキュレーター。下から斜め上に当てて回し続ける
- アーチ干しにする。両端に長いもの、中央に短いもの。30分ほど早くなる
- 間隔はこぶし1つ分(約10cm)。詰めるくらいなら2回に分ける
- 厚手と薄手を交互に並べる
- ポケットは裏返す、フードは立てる、ズボンは筒状に
- 脱水を長めにするのがいちばん確実。干す前に水分を減らす
- 乾いたバスタオルを1枚入れて脱水すると水分を吸ってくれる
- 干す場所は部屋の中央。カーテンレールは避ける(冷えと結露)
- 人がいない部屋なら除湿機+扇風機がいちばん速い
- 浴室に干して換気扇を回すのも有効
- においの原因は菌。5時間以内に乾かすのが目安
- 部屋干しは加湿でもある。乾かすのが目的か、加湿が目的かで、やることが逆になる
- 湿度60%を超えると結露とカビ。湿度計で見ておく

