入学準備でよく聞くのは、この2つです。
早めに買ったのに、学校の指定と違っていて買い直した。 そして、3月の終わりになって名前付けが終わらない。
どちらも、準備の量が多いからではありません。順番を間違えているから起きます。
入学準備は、買う前に確定させることと、確定を待たずに動けることが混ざっています。そこを分けてしまえば、3月に慌てずに済みます。
指定品が分かるのは、入学説明会
まず、いちばん大事なところです。
学用品の細かい指定は、入学説明会で初めて確定します。 説明会は、入学の年の1月下旬から2月上旬に開かれる学校が多いです。
学校によって、こういう指定があります。
- 筆箱の形(箱型のみ、キャラクターは不可など)
- 鉛筆の濃さ(2BやBを指定する学校が多い)
- 上履きの色(学年で色分けする学校もあります)
- 下敷きの柄(無地のみ)
- 算数セットを学校でまとめて買うかどうか
このうち算数セットは特に注意が必要です。学校が一括で注文する場合、自分で買うと丸ごと無駄になります。
秋のうちに文房具をそろえてしまうと、説明会で「これは使えません」になるわけです。説明会が終わるまでは、細かい文房具を買わない。 これだけで買い直しがほぼなくなります。
締切がいちばん早いのは、学用品ではない

では説明会まで何もしなくていいのかというと、そうではありません。
いちばん早い締切は、学童保育の申し込みです。
- 民間の学童 … 前の年の10月ごろから受付が始まるところが多い
- 公立の学童 … 前の年の11月から1月が申し込みの中心
つまり、説明会よりも前に締め切られます。 学用品のことを考え始める頃には、もう終わっているのです。
学童は「申し込めば入れる」ものではない
ここが見落とされやすいところです。
公立の学童は保護者の就労状況などで審査があり、希望しても入れないことがあります。 定員を超えれば、点数の低い家庭から外れます。
そして申し込みには勤務先が発行する就労証明書が必要です。会社に依頼して1〜2週間かかることも珍しくありません。締切の直前に頼んで間に合わない、という失敗が起きます。
秋のうちに見学して、書類の依頼だけは先に出しておく。 これが入学準備でいちばん優先度が高い作業です。
申し込み時期も条件も自治体ごとに違うので、必ずお住まいの自治体の窓口で確認してください。
前の年からの流れをまとめると
| 時期 | やること |
|---|---|
| 前の年の5〜8月 | ランドセルを選ぶ |
| 前の年の10月〜 | 学童の見学・就労証明書の依頼 |
| 前の年の10月下旬〜11月 | 就学時健康診断 |
| 前の年の11月〜1月 | 学童の申し込み |
| 入学の年の1月下旬〜2月上旬 | 入学説明会(指定品が確定) |
| 入学の年の2月中旬〜3月 | 学用品の購入と名前付け |
| 入学の年の3月 | 通学路の確認、入学式の準備 |
就学時健康診断は、前の年の10月下旬から11月に小学校で行われます。ここで初めて学校に行く家庭も多いので、学童の情報を集めるきっかけとして使えます。
説明会を待たずに買っていいもの
指定が入りにくいものは、先に買っておくと3月がラクになります。
- ランドセル(前の年の夏までに選ぶ家庭が多い)
- 体操着袋・上履き入れ・給食袋などの布もの
- 雨具(傘・レインコート・長靴)
- 水筒
- 学習机や椅子
逆に、待ったほうがいいものはこちらです。
- 筆箱・鉛筆・消しゴム・下敷き
- 上履き(色指定があることがあります)
- 算数セット
- 防災頭巾とそのカバー(サイズ指定があります)
名前付けが、最大の山

ここが入学準備でいちばん時間を取られます。
学校では、持ち物のひとつずつに名前を書くよう指定されることが多いです。問題は、その「ひとつ」の数です。
算数セットの中身は、だいたいこれくらい入っています。
- おはじき 50個
- ブロック 50個
- かぞえ棒 50本
- 九九カード 90枚
- 数字カード 140枚
- 計算カード 200枚
中身は学校によって違いますが、合わせると500を超えます。 これを3月下旬に始めると、まず終わりません。
道具でラクになる
手書きにこだわらないでください。
- 名前スタンプを1本つくる … おはじきやブロックのような小物は、シールが剥がれます。スタンプが確実です
- お名前シールは大・中・小のセットで買う … サイズ違いを買い足すと二度手間になります
- 鉛筆は名入れ済みのものを買う … 1ダースに1本ずつ書く作業がなくなります
- 衣類はタグに貼るシール … アイロン不要のものがあります
分けてやる
一度で終わらせようとすると心が折れます。
説明会の直後から、夜に少しずつ進めるのが現実的です。カードに1枚ずつスタンプを押す作業は、手は動くけれど頭は使いません。テレビを見ながらでもできます。
家族で分担するのも効きます。片方がシールを切って、片方が貼る。ひとりでやるより倍以上早く終わります。
費用の目安
公立小学校の入学準備にかかるお金は、8万円から15万円が目安といわれています。
内訳でいちばん大きいのはランドセル、次に学習机です。この2つを中古やお下がりにするかどうかで、総額がかなり変わります。
ただし金額は地域や学校によって差が大きいので、この数字は幅として見てください。指定品が多い学校ほど高くなります。
経済的に厳しい場合は、就学援助という制度があります。 学用品費や給食費の一部が援助されるもので、申請先は自治体の教育委員会や学校です。条件も金額も自治体ごとに違うので、詳しくは窓口で確認してください。
物より効く「できるようにしておくこと」
道具をそろえるより、こちらのほうが子どもは困りません。
自分の名前を読めるようにする
書けるより先に、読めることです。
学校では、ロッカー・靴箱・机・持ち物に名前が貼られています。自分の名前が読めないと、自分の場所が分からない。書くのは入学後に習いますが、読むのは入学した日から必要になります。
早寝早起きに戻す
開門時間から逆算して起きる時間を決めるのが基本です。
保育園や幼稚園より早い家庭が多いので、3月のうちに1週間かけて少しずつずらしてください。前日に一気に変えても体は動きません。やり方は 夏休み明けに子どもの生活リズムを戻す方法 と同じ手順が使えます。
和式トイレを一度使わせる
見落とされがちですが、大事です。
学校のトイレが洋式でも、遠足の行き先や災害時の簡易トイレで和式に出会います。使い方が分からないと、行きたいのに我慢することになります。外出先で一度経験させておいてください。
身のまわりのこと
- 洋服をたたむ(体育のあとに畳んで置く場面があります)
- 傘を閉じて留める
- 「わかりません」「トイレに行きたいです」と言える
- 人の話を最後まで聞く
最後の2つがいちばん大事です。 勉強はこれから教わりますが、困ったときに言えるかどうかは、入学前に育てておくしかありません。
通学路は、必ず一緒に歩く
地図で確認するだけでは足りません。
- 実際に歩いて、かかる時間を測る(子どもの足は大人の1.5倍かかります)
- 危ないところを一緒に見る(見通しの悪い曲がり角、駐車場の出入り口)
- 雨の日に一度歩く
雨の日を試しておくのがおすすめです。 傘をさすと視界が狭くなり、歩くのも遅くなります。晴れた日に測った時間では間に合いません。
入学式の準備
3月に入ったら、当日のことも決めておきます。
- 子どもと保護者の服装
- 上履きとスリッパ(保護者用のスリッパが必要な学校が多い)
- 提出書類の記入
- 交通手段と駐車場(学校まで車で行けないことがあります)
写真と動画は、役割を決めておくと失敗しません。 誰が動画、誰が写真、と分けるだけで両方残ります。混雑した場所での撮影のコツは 運動会の場所取りと写真・動画撮影のコツ が参考になります。
行事の準備を前倒しで進める考え方は 七五三はいつやる?数え年・満年齢の違いと準備スケジュール と同じです。早く動いた分だけ、直前が静かになります。
全部やらなくていい
ここまで書きましたが、3月に全部やろうとしないでください。
優先順位をつけるなら、この3つです。
- 秋のうちに学童を調べて、就労証明書を頼む
- 説明会が終わってから、文房具を買う
- 名前付けは説明会の直後から、少しずつ
残りは入学してからでも間に合います。忘れた道具は買い足せますが、学童の締切だけは戻ってきません。
まとめ
- 買い直しが起きるのは、説明会の前に文房具を買うから
- 入学説明会は入学の年の1月下旬〜2月上旬。ここで指定品が確定する
- 指定されるのは筆箱の形・鉛筆の濃さ・上履きの色・下敷きの柄など
- 算数セットは学校で一括購入することがある。自分で買うと無駄になる
- いちばん早い締切は学童保育。民間は前の年の10月〜、公立は11月〜1月
- 学童は審査があり、希望しても入れないことがある
- 就労証明書は勤務先に依頼して1〜2週間かかる。秋のうちに頼む
- 就学時健康診断は前の年の10月下旬〜11月。学童の情報を集めるきっかけに使う
- 先に買っていいのはランドセル・布もの・雨具・水筒・机
- 待つのは筆箱・鉛筆・上履き・算数セット・防災頭巾
- 名前付けが最大の山。算数セットの中身だけで500を超える
- 名前スタンプを1本つくる。小物はシールが剥がれる
- 説明会の直後から夜に少しずつ。家族で分担すると倍以上早い
- 費用は公立で8万〜15万円が目安。地域と学校で差が大きい
- 厳しい場合は就学援助がある。自治体の窓口で確認する
- 物より効くのは自分の名前を読めること。自分の場所が分かる
- 和式トイレを一度使わせる。遠足や災害時に出会う
- 「わかりません」と言えることがいちばん大事
- 通学路は実際に歩いて時間を測る。雨の日にも一度
- 3月に全部やらない。学童の締切だけは戻ってこない

