夜中に、子どもや家族が急に吐いてしまった。
冬に多いノロウイルスなどの感染性胃腸炎は、吐いたものや便の中に、たくさんのウイルスが含まれています。 片づけ方をまちがえると、看病している人や、ほかの家族にもうつってしまいます。
ポイントは、アルコールではなく、塩素系の漂白剤で消毒することです。
この記事では、家にある漂白剤で消毒液を作る方法と、吐いたものを片づける手順、服や寝具の洗い方をまとめます。
アルコールは、効きにくい
手指の消毒などでおなじみのアルコールですが、ノロウイルスには効きにくいとされています。
ノロウイルスに効くのは、塩素系の漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)です。台所用やおうち用の、塩素系と書かれた漂白剤を使います。
酸素系の漂白剤では、代わりになりません。 ボトルの表示で、「塩素系」「次亜塩素酸ナトリウム」と書かれているかを確かめてください。
消毒液は、2種類作る

用途によって、濃さを変えます。
吐いたもの・便の片づけ用:0.1%
床やトイレについた吐いたもの・便を処理するときに使う、濃いほうの消毒液です。
原液の濃度が5〜6%の漂白剤なら、目安は次のとおりです。
- 水1Lに、原液およそ20mL
- (ペットボトルのキャップ1杯がおよそ5mLなので、キャップ4杯ほど)
服のつけ置き・ドアノブなどの拭き取り用:0.02%
服のつけ置きや、ドアノブ・手すり・トイレのレバーなど、手がふれる場所を拭くときの、薄いほうの消毒液です。
- 水1Lに、原液およそ4mL
- (キャップ1杯弱)
作るときの注意
- 原液の濃度は、製品によってちがいます。 必ずボトルの表示を確かめてください
- 酸性のもの(クエン酸・お酢・酸性の洗剤)と混ぜない。 有毒なガスが出ます
- 作った消毒液は時間がたつと効き目が落ちるので、その都度作って、使い切る
- 消毒液を入れた容器には、「消毒液・飲まない」と書いておく
塩素系と酸性のものを混ぜてはいけない理由は、重曹とクエン酸の違いと使い分け方 にもまとめています。
吐いたものの片づけ方

用意するもの
- 使い捨てのゴム手袋(あれば2重に)
- マスク
- 使い捨てのエプロン(なければ、捨ててもいい服やレインコート)
- ペーパータオル・古い布
- ビニール袋(2枚以上)
- 0.1%の消毒液
手順
- 窓を開けて換気する
- 手袋・マスク・エプロンをつける
- 吐いたものを、ペーパータオルで外側から内側に向かって、静かに拭き取る(広げないように)
- 拭き取ったものはビニール袋に入れ、0.1%の消毒液をしみこむくらい入れて、口をしっかりしばる
- 吐いたものがあった場所を、0.1%の消毒液をしみこませたペーパータオルでおおい、しばらく置いてから拭き取る
- そのあと、水拭きする(塩素で床や金属が傷むのを防ぐ)
- 手袋・マスク・エプロンを外して袋に入れ、しばって捨てる
- 石けんと流水で、手をていねいに洗う
思ったより広く飛んでいる
吐いたものは、見た目よりずっと広い範囲に、細かく飛び散っています。 吐いた場所のまわりも、広めに消毒してください。
乾く前に、早めに片づける
吐いたものが乾くと、ウイルスが空気中に舞い上がることがあります。できるだけ早く片づけるのが大切です。
手には、漂白剤を使わない
手を漂白剤で消毒するのは、やめてください。 手荒れの原因になります。手は石けんと流水で、指のあいだや爪の先までていねいに洗います。
服やシーツが汚れたら
まず、汚れを落とす
汚れた部分を、ほかの洗濯物とは分けて扱います。手袋をして、ついたものを静かに取り除きます。
熱か、消毒液で消毒する
次のどちらかで消毒します。
- 85℃以上のお湯に、1分以上つける(熱湯をかける・つけ置きする)
- 0.02%の消毒液に、30分ほどつけ置きする
消毒したら、ほかの洗濯物とは分けて洗濯します。
塩素系の消毒液は、色柄ものの色が抜けます。 色柄ものは熱湯のほうを使うと安心です。
布団やじゅうたんは
洗えない布団やじゅうたんは、汚れを取り除いたあと、スチームアイロンや布団乾燥機で、しっかり熱をかける方法があります。難しいときは、クリーニング店に、ノロウイルスかもしれないと伝えて相談してください。
家族にうつさないために
トイレとドアノブを、こまめに拭く
トイレの便座・レバー・ドアノブ・手すり・電気のスイッチは、家族みんなが触る場所です。0.02%の消毒液で拭いて、そのあと水拭きします。
タオルを分ける
手を拭くタオルは、家族で共有しない。ペーパータオルにすると、いちばん安心です。
看病する人を、ひとりに決める
できれば、看病と片づけをする人を、ひとりに決めると、家族に広がりにくくなります。
症状がおさまっても、しばらく注意
ノロウイルスは、症状がおさまったあとも、しばらく便の中に出続けることがあります。トイレのあとの手洗いは、治ってからもしばらく続けてください。
吐いた人の様子も見る
吐いたり下したりが続くと、体の水分が足りなくなります。 吐き気が落ち着いたら、少しずつ水分をとるようにします。
次のようなときは、早めに医療機関に相談してください。
- 水分がとれない、おしっこが出ない
- ぐったりしている、意識がぼんやりしている
- 便に血が混じる
- 赤ちゃんや高齢の人で、症状が強い
夜間や休日で迷うときは、住んでいる地域の救急相談の窓口に電話して相談する方法もあります。
いざというときのために
夜中に慌てないよう、片づけに使うものを、ひとつの袋にまとめておくと安心です。
- 使い捨て手袋・マスク・エプロン
- ペーパータオル・ビニール袋
- 塩素系漂白剤と、計量に使うペットボトルのキャップ
- 消毒液の作り方を書いたメモ
年末の大掃除のついでに準備しておくのもおすすめです。大掃除の段取りは 大掃除はいつから始める? にまとめています。
まとめ
- ノロウイルスにはアルコールが効きにくい。塩素系の漂白剤を使う
- 吐いたもの・便の処理には0.1%(水1Lに原液およそ20mL)
- 服のつけ置き・ドアノブなどには0.02%(水1Lに原液およそ4mL)
- 原液の濃度は製品の表示で確かめる
- 酸性のものと混ぜない。消毒液はその都度作る
- 片づけは換気して、手袋・マスク・エプロンをつけてから
- 外側から内側へ拭き取り、袋に入れて消毒液をしみこませて捨てる
- 吐いた場所は広めに消毒し、最後に水拭き
- 乾く前に早く片づける。手は石けんと流水で
- 服は85℃以上のお湯に1分以上か、0.02%に30分ほどつける
- トイレ・ドアノブをこまめに拭き、タオルは分ける
- 水分がとれない、ぐったりしているときは早めに受診
- 片づけセットをひとつにまとめておく

