「桜が開花しました」というニュースを見て、次の週末に出かけたらまだちらほらとしか咲いていなかった。
お花見でいちばん多い失敗がこれです。そして原因は、「開花」という言葉の意味を知らないことにあります。
咲き具合には決まった定義があります。 そこを押さえると、行く日がかなり正確に決められます。
「開花」は、5〜6輪咲いた日
桜の開花は、気象庁が標本木という決められた木を観測して発表しています。標本木は全国に58本あります。
定義はこうです。
- 開花日 … 標本木で5〜6輪以上の花が咲いた最初の日
- 満開日 … 標本木のつぼみの8割以上が開いた日
5〜6輪です。 木全体から見れば、ほとんど咲いていない状態です。
つまり開花発表の日に見に行っても、まず咲いていません。 ニュースが流れるとつい出かけたくなりますが、そこは我慢するところです。
満開までは、おおむね1週間
開花から満開までは、だいたい1週間。年や場所によって7日から10日ほどの幅があります。
寒い地域ほど、この期間は短くなります。 東北北部では開花から満開まで4〜5日ということもあります。一気に気温が上がって、まとめて咲くからです。
そして満開からさらに1週間ほど、花は持ちます。
行く日の決め方
ここまでをまとめると、こうなります。
開花の発表から1週間後あたりを狙う。 そこから1週間ほどが見頃です。
「開花予想日」に予定を入れるのではなく、開花予想日に7日足した日に予定を入れてください。これだけで外す確率がぐっと減ります。
見頃は、思ったより長い
「すぐ散ってしまう」という印象がありますが、実際は違います。
開花から10日ほどは花がしっかり付いていて、強い雨や風でもほとんど散りません。 散りやすくなるのは、散り始めてからです。
だから満開の直前から満開までは、多少天気が崩れても大丈夫。逆に散り始めたあとの雨や風は、一気に終わらせます。
「◯分咲き」の目安
- 三分咲き … 咲き始め。枝の形が見える
- 五分咲き … 半分ほど。まだ隙間がある
- 七分咲き … かなり咲きそろう。写真ならここから
- 満開 … 8割以上
七分咲きから満開までがいちばんきれいといわれます。散り始める前なので、花が若くて色が濃いからです。
混雑を避ける時間帯
日を決めたら、次は時間です。
- いちばん空くのは、朝8時半まで
- 次に空くのは、夕方16時半以降
- 昼前後は、どこも混みます
紅葉と同じで、人が集まる時間はきれいな時間とずれています。 朝の桜は光がやわらかく、人も少ない。写真を撮るなら朝がいちばん条件がいいです。
平日に行けるなら、それがいちばん効きます。 見頃の土日は、どの名所も身動きが取りにくくなります。
見頃の読み方と混雑の避け方は 紅葉狩りで見頃を外さない方法 と考え方が同じです。秋に使った手が、そのまま春にも使えます。
場所取りのルール

シートを広げて場所を取るつもりなら、先に公園のルールを調べてください。
公園ごとに決まりが違います。 そして、知らずにやると撤去されます。
よくある決まり
東京の大きな公園では、こういうルールを設けているところがあります。
- 場所取りは当日の朝8時以降のみ(上野恩賜公園、代々木公園など)
- 前日や深夜からの場所取りは禁止。警備員が撤去します
- 無人の場所取りは禁止。 シートだけ置いて離れると撤去されます
ルールは変わることがあるので、行く前に必ず公園の公式サイトで確認してください。 解禁の時刻も、公園によって違います。
解禁時刻が決まっている公園なら、その30分から1時間前には現地に着いておくのが現実的です。解禁と同時に埋まります。
桜の木にしてはいけないこと
ここは知らずにやってしまう人が多いところです。
- 枝を折る、花を摘む
- 根元に座る、根の上を踏み固める
- 根にペグを打ち込む
- 枝にロープやテープをかける
桜の根は、地面の浅いところに広がっています。 根元に人が集まって踏み固めると、木そのものが弱ります。ペグを打つのは論外です。
シートは根元を避けて張る。ペグではなく、荷物や重しで押さえる。これだけ守れば大丈夫です。
ゴミ
持ち帰るのが基本です。やむを得ず捨てる場合も、必ず分別してください。
見頃の時期の公園は、ゴミ箱がすぐいっぱいになります。袋を多めに持っていくと困りません。
持ち物
春の地面は、見た目より冷たくて湿っています。
- 防水で厚手のレジャーシート。薄いものだと底冷えします
- 座布団かクッション。あるとないとで疲れ方が違います
- ブランケット。膝掛けにも、畳んで座布団にも使えます
- ゴミ袋(多めに)
- ウェットティッシュ
- 飲み物。名所の売店は並びます
トイレの場所は先に確認しておいてください。 見頃の公園のトイレは、かなり待ちます。
夜桜は、別物の寒さ
ライトアップを見るなら、昼と同じ服装では耐えられません。
日が落ちると一気に冷え込みます。 桜の時期に寒さが戻ることを「花冷え」と呼ぶくらいで、じっと座っていると体温が奪われます。
上着をもう一枚、それに手元を温めるもの。 夜まで残るつもりなら、昼のうちから持っていってください。
遠出しなくてもいい
最後に、身も蓋もないことを書きます。
名所に行かなくても、桜はきれいです。
近所の川沿い、小さな公園、学校のまわり、団地の敷地。この時期はどこにでも咲いています。人が少ないぶん、ゆっくり歩けて写真も撮りやすい。
名所は、移動と混雑で体力を使います。着いた頃には疲れていて、桜どころではなかった、というのはよくある話です。
それでも遠くの名所へ行くなら、移動の計画から先に決めてください。 車なら 連休の渋滞を避ける方法、新幹線なら 新幹線の自由席で確実に座る方法 が使えます。
まとめ
- 開花日は、標本木で5〜6輪以上咲いた最初の日。ほとんど咲いていない
- 満開日は、つぼみの8割以上が開いた日
- 標本木は全国に58本。気象庁が観測している
- 開花から満開まではおおむね1週間(7〜10日)
- 寒い地域ほど短い。東北北部では4〜5日のことも
- 満開からさらに1週間ほど花が持つ
- 狙う日は開花の発表から1週間後あたり
- 開花から10日ほどは、強い雨風でも散りにくい
- 散り始めたあとの雨や風は、一気に終わらせる
- 七分咲きから満開までがいちばんきれい
- 空くのは朝8時半まで、次に夕方16時半以降。昼前後は混む
- 平日に行けるなら、それがいちばん効く
- 場所取りは公園ごとにルールが違う。必ず公式サイトで確認する
- 当日の朝8時以降のみとする公園がある。前日・深夜は撤去される
- 無人の場所取りも撤去される
- 解禁時刻があるなら30分〜1時間前に現地へ
- 枝を折る・根元に座る・根にペグを打つ・枝にロープはしない
- 桜の根は浅い。踏み固めると木が弱る
- シートは根元を避けて、荷物や重しで押さえる
- ゴミは持ち帰る。袋は多めに
- 防水で厚手のシートと座布団。春の地面は冷たく湿っている
- 夜桜は昼と同じ服装では耐えられない。上着をもう一枚
- トイレの場所を先に確認しておく
- 近所の桜で十分きれい。名所は移動と混雑で疲れる

