潮干狩りに出かけて、着いてみたら海が引いていなかった。あるいは、ようやく引いたと思ったら30分で満ちてきた。
潮干狩りは、行く日と時間でほぼ決まります。 場所選びより先に、こちらを決めてください。
そしてもうひとつ、採っていい場所か、食べていい貝か。ここを知らずに行くと、楽しいどころではなくなります。
時期は4月から6月
潮干狩りができるのは3月から9月ごろまでですが、いちばん向いているのは4月から6月です。
理由は2つあります。
- 春から初夏は、昼間に大きく潮が引く日が多い。秋から冬は大きく引くのが夜になりやすく、潮干狩りに向かない
- 気温がちょうどいい。真夏は日差しと暑さで、長く浜にいられない
行く日は「大潮」か「中潮」

潮の満ち引きの大きさは、日によって違います。月の満ち欠けに合わせて、およそ2週間周期で変わります。
- 大潮 … 満ち引きがいちばん大きい。潮がいちばん遠くまで引く
- 中潮 … 大潮の前後。かなり引く
- 小潮・長潮・若潮 … あまり引かない
狙うのは大潮、次に中潮です。小潮の日に行くと、貝のいる場所まで海が引きません。
潮の日程は「潮位表」で調べる
大潮の日と、その日の干潮の時刻は、気象庁の潮位表で調べられます。地域ごとに出ているので、行く海岸に近い地点を選んでください。
スマホの潮見表アプリでも見られます。「地域名 潮見表」で検索すれば出てきます。
時間は「干潮の前後2時間」
日を決めたら、次は時間です。
貝を採れるのは、干潮時刻の前後2時間がおよその目安です。干潮が12時なら、10時から14時ごろまで。
ここで大事なのは、着く時刻を早めることです。
干潮の2時間前には現地に着いておく。 駐車場を探し、着替えて、浜を歩いて採る場所を決める。それだけで30分はかかります。干潮ちょうどに着くと、採れる時間の半分を失います。
満ち始めたら、すぐ戻る
潮は、満ち始めると思ったより速く上がってきます。 夢中で沖のほうまで出ていると、戻る道が水に浸かっていることがあります。
干潮時刻を過ぎたら、ときどき振り返って水位を見る。 子どもと一緒なら、なおさらです。
車で行くなら、帰りの渋滞も含めて時間を組んでください。考え方は 連休の渋滞を避ける方法 と同じです。
採っていい場所か、先に確かめる

ここは楽しさより先に読んでほしいところです。
日本の沿岸のほとんどには、漁業権が設定されています。地元の漁業者がその海で貝や海藻を採る権利で、アサリも対象です。
漁業権がある場所で勝手に貝を採ると、密漁になることがあります。 罰金の対象になる場合もあり、「知らなかった」では済みません。
安心なのは、有料の潮干狩り場
いちばん確実なのは、漁協や自治体が開いている潮干狩り場に行くことです。入場料を払えば、決められた範囲で採ってよいことがはっきりしています。
無料で採れる浜もありますが、どこまでが採ってよい範囲かは場所ごとに違います。 同じ海岸でも、河口や岬を境にルールが変わることがあります。
量と道具にも決まりがある
- 持ち帰れる量に上限がある場所があります(1人1日1キロまで、など)
- 小さい貝は戻す決まりがある場所もあります
- 使える熊手の大きさや形が決まっていることもあります
ルールは都道府県や海岸ごとに違うので、行く前に自治体や漁協の案内を確認してください。
食べていい貝か、先に確かめる
もうひとつ、貝毒です。
春先は、貝が毒を持つプランクトンを食べて、毒をため込むことがある時期です。潮干狩りのシーズンと重なります。
貝毒は、ふつうの加熱調理ではほとんど分解されません。 火を通せば大丈夫、とはいきません。
各都道府県は、貝毒の検査結果や注意情報を公表しています。出かける前に、その海域の情報が出ていないか確認してください。 注意が出ている海域の貝は、採っても食べないこと。体調に異変があれば、すぐに医療機関を受診してください。
持ち物
採るための道具
- 熊手(小さめのもの。ルールのある場所はそれに合わせる)
- 網袋(採った貝を入れる)
- バケツ(海水を汲む)
持ち帰るための道具
- クーラーボックス(必須)
- 保冷剤
- ペットボトル(砂抜き用の海水を汲んで帰る)
自分を守るもの
- 帽子と日焼け止め。干潟は照り返しが強く、春でも焼けます。塗り方は 日焼け止めの正しい塗り方と選び方 を参考にしてください
- マリンシューズかかかとのある靴。貝殻で足を切ります。ビーチサンダルは脱げます
- 軍手
- 着替えとタオル
持ち帰りと砂抜き
持ち帰るとき
アサリは、海水と一緒にクーラーボックスへ。 保冷剤で冷やして持ち帰ります。
あわせて、砂抜き用に現地の海水をペットボトルで汲んでおくと、家での砂抜きがうまくいきます。住んでいた海の水がいちばんよく砂を吐きます。
砂抜きのやり方
- バットにザルを重ね、アサリを重ならないように並べる
- 海水を、殻が少し出るくらいまで注ぐ(「ひたひた」)
- 新聞紙やふたで暗くする
- 涼しい場所に2〜3時間置く
- 水から上げて30分ほど置く(吸った塩水も吐かせる)
海水がなければ、3%の食塩水で代わりになります。水1リットルに塩30グラムです。
うまく吐かせるコツ
- 水を入れすぎない。全部沈めると酸欠になります
- 暗くする。アサリは明るいと警戒して口を閉じます
- 温度は20℃前後。暑い時期は涼しい場所か、ときどき冷蔵庫へ
- ザルを使う。吐いた砂をまた吸わないようにするため
食べてはいけないアサリ
- 殻が開いたまま、触っても閉じない
- においがする
- 砂抜きの水が白く濁っている
死んだ貝は食中毒の原因になります。 迷ったら捨ててください。
保存
砂抜きを済ませたら、殻のまま冷凍できます。
殻の水気を拭いて、冷凍用の袋に入れるだけです。3週間から1か月ほど持ちます。使うときは凍ったまま加熱してください。解凍すると口が開かなくなります。
冷凍のコツは 食材の冷凍保存でよくある間違い5つ にもまとめています。
季節の外遊び
潮干狩りは、日と時間を決めれば半分は成功というおでかけです。考え方は お花見で満開を外さない と同じで、調べてから行くほど満足度が上がります。
まとめ
- 潮干狩りは4月から6月が向いている
- 春から初夏は昼間に大きく潮が引く日が多い。秋冬は夜になりやすい
- 行く日は大潮、次に中潮。小潮だと貝のいる場所まで引かない
- 日程と干潮時刻は気象庁の潮位表で調べる
- 採れるのは干潮の前後2時間
- 干潮の2時間前には現地に着いておく
- 満ち始めたら潮は速い。ときどき振り返って水位を見る
- 沿岸のほとんどに漁業権がある。勝手に採ると密漁になることがある
- 確実なのは漁協や自治体が開いている潮干狩り場
- 持ち帰る量・貝の大きさ・熊手の形に決まりがある場所もある
- ルールは場所ごとに違う。自治体や漁協の案内で確認する
- 春先は貝毒の時期と重なる
- 貝毒は加熱してもほとんど分解されない
- 出かける前に、その海域の貝毒情報を確認する
- 持ち物は熊手・網袋・バケツ・クーラーボックス
- 帽子と日焼け止め、かかとのある靴。貝殻で足を切る
- アサリは海水と一緒にクーラーボックスで持ち帰る
- 現地の海水を汲んで帰ると砂抜きがうまくいく
- 代わりは3%の食塩水(水1リットルに塩30グラム)
- 砂抜きはひたひた・暗く・20℃前後で2〜3時間
- 口が開いたまま閉じない、においがする貝は捨てる
- 砂抜き後は殻のまま冷凍できる。凍ったまま加熱する

