最近、給食のうずらの卵が詰まってしまって、小学1年生がなくなってしまった事故がありました。
これに関して、さまざまな対応策が考えられますが、教育界や学校全体ではなくひとりの教員として対策できることを紹介していきます。
参考にしてください。
子ども命を守るために
教員という仕事は、とくに危険な仕事ではありませんが、子どもの命を預かっている意識を持つことが大切です。
1日という大切な時間の中で、6〜7時間も一緒にいるわけです。
家庭によっては、親よりも一緒にいる時間が長いかもしれません。
その事実を再認識して、子どもの命を守るための行動はしておきましょう。
教員としてできること
教育界全体のシステムや、学校全体が関わることはすぐに変えることはできませんが、子どもの命を守るためにひとりの教員としてできることはいくらでもあると思います。
ここではいくつか紹介していくので、実践してみてください。
- 心肺蘇生法やAEDの使い方を再確認する
- 子どもたちのアレルギーや持病などを確認し万が一の対応策を考えておく
- 最悪の状況を想像しておく
- 子どもたちの危機管理能力を育てておく
心肺蘇生法やAEDの使い方を再確認する
まずは、子どもの命を守るために、一番に思いつくことであり一番大切なことです。
各学校で必ず行われる心肺蘇生講習やAED講習会などで使った資料などを確認しておきましょう。
もし、資料が見つからない場合は、こちらの公式サイトでご確認ください。
※心肺蘇生法やAEDの使い方などは人命に関わる重要な情報です。
必ず信頼できる最新の情報を参考にしてください。
一度他のところ(ブログやSNS)を経由した情報は正しいとは限らないので、命に関わる情報の信頼性には十分注意してください。
当サイトでは、最新版を紹介できない場合もあるので、画像や文言では紹介せず、リンク先のURLを紹介しています。
子どもたちのアレルギーや持病などを定期的に確認し万が一の対応策を考えておく
担任の先生は、クラスの子どものアレルギーや持病などを年度初めに確認していると思います。
しかし、一度だけでは忘れてしまう場合もあるので、月初めなど定期的に確認しておくようにしましょう。
そして、万が一の場合を考えて、子どもたちそれぞれの対応策を考えておきましょう。
- えびを食べてはいけない子ども
- 必ず薬を飲まなければいけない子ども
- 喘息もちの子ども
クラスにはいろいろな子どもたちがいます。
毎日楽しく元気に過ごせればいいのですが、そういうわけにもいかないときがあります。
最悪の場合、万が一の場合を考えて、対応策まで定期的に確認しておきましょう。
- 休ませるだけでいい
- 薬を飲ませる
- エピペンをうつ
- 救急搬送をする
対応策もさまざまです。
どんな症状が出たら対応すべきか
そして意外と見落としがちなことが、どんな症状が出たら対応する必要があるのか、ということです。
食物アレルギーなどの原因がわかっていて、薬を飲ませればいいとわかっていても、実際の場面に遭遇すると
「もう薬飲ませていいのかな?」
「まだ早いかな?」
など心配になってしまいます。
事前にどのような症状が出たら対応すべきなのか確認しておきましょう。
わからなかったら保護者に聞く
もし、資料などをみてわからないことがあったら、保護者に確認しましょう。
「子どものことあまり聞かれたくないんじゃないかな」
「そんなこともわかっていないのか、とか思われないかな」
って不安になるかもしれませんが、そんな必要はありません。
むしろ、聞いておいた方が
「ちゃんと子どものことを考えてくれている」
「万が一のことを考えてくれているから安心できる」
など好印象を持たれる場合の方が多いと思います。
というか、不安とか好印象とか言ってる場合ではありません。
子どもの命を守ることが最優先ですから確認しましょう。
最悪の状況を想像しておく
よく想像したり、妄想したりする人は、いろんな状況のことを考えていると思います。
学校の先生もいろんなことを想像しておきましょう。
- もし大きな地震がきたらどうやって指示を出して避難させようかな
- 不審者が校内に入ってきたらどう対応しよう
- 食中毒で子どもたちが一斉に具合が悪くなってしまったらどうするか
- 校門に車が突っ込んできたらどうしよう
できるだけ具体的に細かく想像しておきましょう。
そして、そのとき自分はどう対応しているのかもイメージすることが大切です。
あっては欲しくないですが、もし同じようなことが起きたら行動しやすくなるはずです。
子どもの頃の妄想
特に男性の先生なら子どもの頃、こんな妄想をしたことはありませんか?
「学校に悪い奴がやってきた。僕がやっつけてヒーローになってやる」
その感覚が大切なんです。
それを教員として、子どもたちを守るために妄想しましょう。
言い換えればイメージトレーニングですね。
子どもたちの危機管理能力を育てておく
子どもに危機が訪れるのは、必ず先生の目の前というわけではありません。
きっと一番最初に異変に気づくのは近くにいる子どもだと思います。
最悪の事態では、初動が重要ポイントになる場合もあります。
だからこそ、子どもたちにも危機管理能力を身につけさせておきましょう。
以下の内容を教えておくと危機管理能力を育てることができます。
- いつも先生が近くにいるとは限らない
- 友達の異変を感じたら「叫ぶ」
- 友達に話せるアレルギーや病気などは話しておく
いつも先生が近くにいるとは限らない
教室から出てしまうと、教員の目の届かないところに子どもたちは行ってしまいます。
そんなときに何か問題が起きてしまったら、まずは子どもだけで対応しなければいけないことを子どもたちに伝えておきましょう。
- 様子をみる
- 手当てをする
- 先生をよぶ
どの行動をすべきか子ども自身で判断しなければなりません。
友達の異変を感じたら「叫ぶ」
もし、友達が大変なことになってしまって、子どもだけでどうにかならないと思ったら「叫ぶ」ように話してください。
どんな状況であれ、子どもの叫び声に教員や大人は驚き、すぐに駆けつけてくれます。
「せんせーい!!」
って叫ぶだけだと、意外と緊急性を感じられないものです。
「どうしたのかな、喧嘩かな」
「ボールが屋根の上にでも乗っちゃったのかな」
そんなふうに考えがちですよね。
でも、叫び声を聞いたら真っ先に駆けつけます。
そのスピード感が重要です。
友達に話せるアレルギーや病気などは話しておく
もちろん個人差がありますが、子どもたちに
「自分のアレルギーや病気などで話せることは友達に話しておきましょう」
と教えるのもいいかもしれません。
ですが、かなりデリケートな部分ですのでクラスの実体にあわせて話すべきかは判断してください。
子ども同士でアレルギーや病気などの情報を共有しておくことはある程度は大切だと思います。
とくに食物アレルギーは、給食では教員が確認できますが、放課後の自由な時間のときは子ども自身で判断しなければなりません。
誰かのお家に遊びに行って、手作り料理が出されるときは要注意ですよね。
話せる範囲でいいので、自分のことを友達に話すようにすることを伝えておくといいかもしれません。
教員自身を守るために
そして、教員自身を守るためにも必要なことがあります。
いくら万全に気をつけていても、どれだけ目を光らせていても、最悪の事態は起きてしまいます。
そんなとき、あなた自身のことを守れるように現実的な対策をしておきましょう。
- 賠償補償
- 弁護士特約
上記のような、万が一のときに教員であるあなたを守る対策を考えておくべきです。
詳細は、事務の先生や学校に出入りしている担当さんに聞いたり、学校共済などの公式サイトで確認しましょう。
- 教職員賠償について:教職員共済
教職員賠償責任共済:全教共済
まとめ
ここまで、子どもの命を守るために教員ができることを紹介してきました。
正直なところ、この対策が無意味に終わればいいのですが、そう楽観視することもできません。
万が一のことに備えて、自分でできることはきちんと確認して備えておきましょう。