Wi-Fiが遅い原因と改善方法【置き場所・電波干渉・買い替えの目安】

当ページのリンクには広告が含まれています。
Wi-Fiルーターを電波塔に見立てたミニチュアジオラマ

動画が止まる、ページがなかなか開かない、オンライン会議で音声が途切れる。

Wi-Fiが遅いとき、原因は大きく3か所に分かれます。ルーターより外側(回線・プロバイダ)、ルーター本体、ルーターと端末のあいだ(電波)。どこが原因かで対処がまったく変わるので、まず切り分けてください。

なお、端末そのものが重い可能性もあります。ホーム画面の操作すらもたつく場合は、スマホの動作が遅い・重い時の対処法 のほうが該当します。

目次

切り分けチェック

Wi-Fiが遅い症状別に原因と対処法を対応させた切り分け表の図解

Q1. 遅いのはWi-Fiのときだけ?
モバイル回線(4G/5G)に切り替えて快適なら、Wi-Fi側の問題です。どちらでも遅いなら端末側を疑ってください。

Q2. 特定の端末だけ? 家じゅうの機器が遅い?
1台だけ遅いならその端末の問題。全部遅いならルーターか回線です。

Q3. 特定の部屋だけ遅い?
リビングでは速いのに寝室で遅いなら、電波が届いていないのが原因です。置き場所か中継機の話になります。

Q4. 夜だけ遅い?
昼は快適なのに21時以降だけ遅いなら、回線の混雑です。後述するIPv6の項目を確認してください。

Q5. 有線でつなぐと速い?
LANケーブルで直結して速くなるなら、Wi-Fi区間の問題です。有線でも遅いなら回線・プロバイダ側です。

この5問で、原因はかなり絞れます。

何より先に、ルーターを再起動する

原因が何であれ、まずこれです。

ルーターは何か月も電源を入れっぱなしにされがちな機器です。内部にメモリの断片化や接続情報の蓄積が起き、動作が不安定になります。電源を抜いて1分ほど待ってから、挿し直す。これだけで直ることが本当に多いです。

このとき、光回線終端装置(ONU、壁から来ている黒い箱)も一緒に再起動すると効果的です。ONU→ルーターの順に電源を入れ直すのがコツです。

原因1:ルーターの置き場所(いちばん効く)

ルーターの置き場所の良い例と悪い例を家の断面図で示した図解

見落とされがちですが、置き場所を変えるだけで速度が変わることがあります。

Wi-Fiの電波は、ルーターを中心に球状に広がります。この性質を知っていると、良い場所と悪い場所の理由がわかります。

避けたほうがいい場所

  • 床に直置き … 電波の下半分が床に吸われて無駄になります
  • 部屋の隅、家の端 … 電波の半分が壁の外に出ていきます
  • テレビや電子レンジの裏・近く … 電磁波の干渉を受けます
  • 金属製のラックの中、スチール棚の裏 … 金属は電波を反射・遮断します
  • 水槽の近く、加湿器のそば … 水は電波を吸収します
  • 押し入れやテレビ台の扉の中 … 遮蔽物で減衰します

良い場所

  • 家のなるべく中央
  • 床から1〜2mの高さ(棚の上など)
  • 周囲に遮蔽物がない、開けた場所

「見た目が悪いから隠したい」と思う機器ですが、隠すほど遅くなります。露出させるほど速いと考えてください。

2階建てなら、1階と2階の中間にあたる位置(1階の天井近く、または2階の床近く)に置くと、家全体に届きやすくなります。

原因2:2.4GHzと5GHzを使い分ける

ルーターの電波には2種類あり、ほとんどの機種で両方が飛んでいます。SSID(接続先の名前)の末尾に「-G」「-A」や「2G」「5G」と付いているのがそれです。

2.4GHz5GHz
速度遅め速い
障害物強い(壁を越えやすい)弱い
距離遠くまで届く短い
干渉受けやすい受けにくい

2.4GHzは、電子レンジ・Bluetooth機器・コードレス電話などと同じ周波数帯を使っています。電子レンジを回すとWi-Fiが途切れるのは、これが理由です。

使い分けの目安

  • ルーターと同じ部屋、近い場所 → 5GHz(速い)
  • 壁を隔てた部屋、遠い場所 → 2.4GHz(届く)

自動で切り替えてくれる機種もありますが、うまく切り替わらないこともあります。遅いと感じたら、もう一方に手動で接続し直してみてください。これで解決するケースはかなりあります。

なお最近のルーターには6GHz帯に対応したもの(Wi-Fi 6E以降)もあります。さらに空いていて速い帯域ですが、端末側の対応も必要です。

原因3:夜だけ遅いなら「IPv6」を疑う

昼間は快適なのに、夜になると急激に遅くなる。これは回線の混雑が原因で、対処法があります。

接続方式の違い

インターネットへの接続方式には、従来からのPPPoEと、新しいIPoE(IPv4 over IPv6)があります。

PPPoE方式では、通信が「網終端装置」という設備を通ります。ここが利用者の集中する夜間にボトルネックになり、速度が落ちます。IPoE方式はこの装置を経由しないため、夜間の混雑を受けにくいという特徴があります。

確認と切り替え

契約しているプロバイダのマイページなどで、IPv6(IPoE)に対応しているか、有効になっているかを確認してください。

  • 申し込みが必要な場合があります(無料のことが多い)
  • 対応したルーターが必要です(古い機種は非対応)

「夜だけ遅い」という症状には、これが劇的に効くことがあります。ルーターを買い替える前に、まずここを確認する価値があります。

原因4:つないでいる機器が多すぎる

家の中のWi-Fi接続機器を数えてみてください。

家族のスマホ、パソコン、タブレット、テレビ、ゲーム機、スマートスピーカー、見守りカメラ、プリンター、ロボット掃除機。思っている以上の台数になっているはずです。

古いルーターは同時接続台数の上限が低く、10台前後で不安定になるものもあります。使っていない機器の接続を切る、あるいはルーターを買い替えることで改善します。

原因5:ルーターが古い

Wi-Fiの規格は数年ごとに更新されています。

規格通称登場時期
802.11nWi-Fi 42009年頃
802.11acWi-Fi 52014年頃
802.11axWi-Fi 62019年頃
802.11ax(6GHz対応)Wi-Fi 6E2021年頃
802.11beWi-Fi 72024年頃

買い替えの目安は4〜5年です。機器としては動いていても、規格が古いと速度の上限が低く、同時接続にも弱くなります。

また、通電しっぱなしの機器なので発熱による劣化もあります。触って熱すぎる、頻繁に切断される、という場合は寿命を疑ってください。

買い替え前にやること

  • ファームウェアの更新(性能改善やバグ修正が入ります)
  • 対応する規格の確認(契約回線の速度に見合っているか)

1Gbpsの契約なのにWi-Fi 4のルーターを使っていては、回線の性能を活かせません。

原因6:マンションの配線方式

集合住宅で「どうやっても遅い」という場合、建物側の配線方式が原因のことがあります。

  • 光配線方式 … 各戸まで光ファイバー。最も速い
  • LAN配線方式 … 共用部から各戸までLANケーブル
  • VDSL方式 … 共用部から各戸まで電話線。上限が概ね100Mbps程度

VDSL方式の場合、どんなに良いルーターを買っても100Mbps前後が上限になります。これは個人では変えられません。

管理会社に確認して、光配線方式への切り替え予定がないか聞いてみる価値はあります。すぐに変わるものではありませんが、原因がわかれば無駄な買い物をせずに済みます。

電波が届かない部屋がある場合

置き場所を工夫しても届かないなら、機器を足す選択になります。

中継機

ルーターの電波を受け取って中継します。安価で設置も簡単ですが、電波を受けて送り直す構造上、速度が落ちることがあります。

置く位置が重要で、ルーターと目的の部屋の中間に設置します。電波の弱い場所に置くと、弱い電波をそのまま中継するだけになります。

メッシュWi-Fi

複数の機器で1つのネットワークを構成します。移動しても自動で最適な機器に切り替わるため、家じゅうで安定します。中継機より高価ですが、広い家や3階建て、鉄筋コンクリートの住宅では効果が大きい選択肢です。

いちばん確実なのは有線

身も蓋もない話ですが、LANケーブルでつなぐのが最も速く、最も安定します。

動かさない機器、たとえばデスクトップPC、テレビ、据え置き型ゲーム機は、可能なら有線にしてください。

副次的な効果もあります。有線にした機器のぶんWi-Fiの負荷が減るので、スマホやタブレットの通信も速くなります。オンライン会議や対戦ゲームなど、途切れると困る用途では特に差が出ます。

まとめ

  • まず切り分ける。「Wi-Fiだけか」「1台だけか」「特定の部屋か」「夜だけか」「有線なら速いか」
  • 何をするより先にルーターを再起動。ONU→ルーターの順で電源を入れ直す
  • 置き場所がいちばん効く。床置き・部屋の隅・金属棚の中・水槽の近くは避ける
  • 電波は球状に広がるので、家の中央・床から1〜2mの高さ・開けた場所が良い
  • 近くなら5GHz、遠くなら2.4GHz。遅いときは手動でもう一方に切り替えてみる
  • 電子レンジで途切れるのは、2.4GHzが同じ周波数帯を使っているため
  • 夜だけ遅いならIPv6(IPoE)を確認。切り替えで劇的に改善することがある
  • 接続機器が多すぎると不安定になる。古いルーターは10台前後で限界のことも
  • ルーターの買い替え目安は4〜5年。契約回線の速度に見合った規格かを確認する
  • マンションでVDSL方式なら上限が概ね100Mbps。機器を替えても頭打ちになる
  • 届かない部屋には中継機かメッシュWi-Fi。中継機はルーターと部屋の中間に置く
  • 動かさない機器は有線に。Wi-Fiの負荷が減って他の端末も速くなる

A created this document

Ex-TORANOMAKIを運営している市田健人(いちだ けんと)です。東京でWeb制作とデザインの仕事をしながら、2026年2月に「ベースケント合同会社(BASE KENT)」を設立しました。暮らしの「ちょっと困った」から、Web制作の「あの一行どう書くんだっけ」まで、自分で調べて裏が取れたことだけを書いています。体験していないことを、さも知っているかのようには書かない。それだけを守っています。

目次