年末が近づいてから「おせち どうする」と検索して、値段を見て驚く。あるいは、よさそうなものが「完売」になっている。毎年これを繰り返している人は多いと思います。
おせちは、買う時期によって数千円から1万円以上変わります。しかも遅くなるほど選べる数が減ります。急いでいる人ほど高く買うことになる、という少し理不尽な商品です。
結論から言うと、買うと決めているなら早いほうがいいです。理由と、失敗しない選び方をまとめます。
早割は「段階的に値上がりする」仕組み

おせち通販の多くが早割を設定しています。ここで知っておきたいのは、早割が1回きりの割引ではなく、段階的に縮んでいくということです。よくあるのは、こういう刻み方です。
- 第1弾:9月末まで … 3,000円引き
- 第2弾:10月末まで … 2,000円引き
- 第3弾:11月末まで … 1,000円引き
- 12月 … 定価
つまり、月をまたぐたびに値上がりします。同じ商品、同じ中身なのに、悩んでいる間に高くなっていきます。
さらに、1回の値上げ幅は販売店によってまったく違います。数百円しか変わらないところもあれば、数千円動くところもある。同じ「早割」という言葉でも、締切を1日逃したときの損失は別物です。
気になる商品があるなら、締切日だけメモしておく
値上げのタイミングは商品ページに書いてあります。買うかどうかまだ決まっていなくても、「いつまでに、いくら上がるのか」だけ確認してカレンダーに入れておく。これだけで無駄な出費を防げます。
予約開始はいつごろか
販売元によって、動き出す時期が違います。
| 販売元 | 予約開始の目安 |
|---|---|
| 通販専門店 | 早いところは8月から |
| 百貨店(オンライン) | 9月下旬が中心 |
| スーパー・コンビニ | 9〜10月ごろ |
| 店頭の生おせち | 11〜12月 |
百貨店は9月下旬に一斉にスタートします。有名料亭の監修品や人気店のものは、解禁直後に動く層がいるため、早い段階で埋まっていきます。
待つと損をする理由は2つ
理由1:あとから安くならない
家電や衣料品と違って、おせちは売れ残っても値下げされません。12月に入ってから在庫処分の投げ売りが始まる、ということが基本的に起きない商品です。
店頭の生おせちが大晦日の夕方に値引きされることはありますが、それは「その日のうちに食べきる前提」の話です。通販のおせちは早期予約の数をもとに生産されるので、遅く買うほど高くなります。
理由2:人気のものから消える
数量限定で受注を締め切る商品が多く、人気帯から先に埋まります。1万〜2万円前後の3〜4人前が最も動く価格帯です。
12月に残っているのは、高額帯か、少人数向けか、あまり動かなかったものになりがちです。「どれでもいい」ならまだしも、中身を見て選びたいなら10月中には決めたいところです。
選び方1:人数がいちばん間違えやすい

ここが最大の失敗ポイントです。三段重は3〜4人前が標準です(6.5寸=約19.5cmの重箱)。「おせちといえば三段重」というイメージで買うと、2人暮らしではほぼ確実に余ります。
- 1人 … 一人用・一段重
- 2人 … 一段重か二段重
- 3〜4人 … 三段重
- 5人以上 … 三段重に、オードブルや単品を足す
最近は二段重や、1人ずつ小分けになった個食スタイルが増えています。「伝統的な三段は食べきれない」という声に応えた形です。
余らせるのがいちばんもったいない
おせちは日持ちする料理が多いとはいえ、解凍後は2日以内が目安です。3日も4日も同じものが食卓に出続けると、正月の後半が苦行になります。
少し足りないくらいがちょうどいいです。足りなければ、お雑煮や刺身を買い足せば済みます。
選び方2:冷凍か冷蔵かを決める
通販のおせちはほとんどが冷凍です。店頭で買う生おせちが冷蔵にあたります。
| 冷凍おせち | 冷蔵(生)おせち | |
|---|---|---|
| 主な入手先 | 通販 | 店頭・百貨店 |
| 届く時期 | 12月中に届く | 大晦日前後の指定日 |
| 手間 | 解凍が必要(24時間) | 開けてすぐ食べられる |
| 日持ち | 解凍前は長い | 短い |
| 味 | 急速冷凍で品質は高い | 作りたてに近い |
冷凍は「早めに届いて、冷凍庫で待てる」のが最大の利点です。年末の慌ただしい時期に、受け取りの予定を気にしなくて済みます。
ただし、冷凍庫の空きが必要です。三段重はかなりの体積を取ります。届く前に、入る場所を確保しておいてください。考えずに買って、当日まで置き場所に困る、というのはよくある話です。
選び方3:「家族が実際に食べるか」で中身を見る
和風の正統派を買ったものの、黒豆と数の子だけが最後まで残る。これもよくある失敗です。
- 子どもがいる … 洋風やオードブル寄り、エビや肉が多いもの
- 大人だけ … 和風の正統派で問題ない
- 好き嫌いがはっきりしている … 和洋折衷にするか、単品を組み合わせる
「正月らしさ」より「食べきれるか」で選んだほうが満足度は高いです。品数の多さも売り文句になりますが、品数が多いほど1品あたりの量は減ります。大人数で取り分けるなら、品数より1品の量を見てください。
冷凍おせちの解凍で失敗しないコツ
せっかく選んでも、ここで失敗すると台無しになります。
- 冷蔵庫で24時間かけて解凍する … 24〜36時間が目安
- 重ねたまま解凍しない … 間隔を空けて置く。重ねるとムラが出る
- 電子レンジは使わない … 急に解凍すると風味も見た目も落ちる
- 常温で放置しない … 傷みの原因になる
- 食べる1時間前に冷蔵庫から出す … 冷えすぎていると味がぼやける
- 24時間を大幅に超えて解凍しない … 食感と風味が落ちる
- 解凍後に再び冷凍しない … 品質が確実に下がる
逆算すると、元日の朝に食べるなら、大晦日の朝には冷蔵庫へ移す必要があります。ここを忘れて元旦の朝に慌てる人が多いので、届いた時点で「いつ冷蔵庫に入れるか」を決めておくといいです。
解凍後は冷蔵で保存し、2日以内に食べきってください。
予約する前に確認しておく4つ
- 配送日 … 指定できるか、いつ届くか。冷凍なら冷凍庫の空きも合わせて
- キャンセル・変更の期限 … 販売店によってまったく違う。過ぎると全額負担になることもある
- 送料 … 本体が安くても、送料を含めると逆転することがある
- 原材料とアレルギー表示 … 小さい子どもや高齢の家族がいるなら必ず
特にキャンセル期限は見落とされがちです。年末年始の予定が変わる可能性があるなら、申し込む前に確認しておいてください。
作らないと決めていい
「おせちくらいは手作りしないと」と思う必要はないです。
黒豆を煮るだけで数時間、品数を揃えれば年末が丸ごと消えます。買って、空いた時間を家族と過ごすほうがいいという判断は十分に合理的です。
全部買うか全部作るかの二択でもありません。買ったおせちに、雑煮と好きなおかずを1〜2品だけ足す。これがいちばん現実的で、満足度も高いやり方だと思います。
なお、正月の食材が余りがちな時期の保存については 冬野菜の保存方法 にまとめています。年始の予定を立てるなら 初詣はいつまでに行く? も参考にしてください。
まとめ
- おせちは買う時期で数千円から1万円以上変わる。買うと決めているなら早いほうがいい
- 早割は1回きりではなく、月をまたぐたびに縮む段階制。9月末・10月末・11月末が節目
- 1回の値上げ幅は販売店によって全然違う。締切日と値上げ額だけメモしておく
- 予約開始は通販が8月から、百貨店は9月下旬が中心
- おせちはあとから値下げされない。遅く買うほど高い
- 人気帯(1万〜2万円・3〜4人前)から先に埋まる。中身を選びたいなら10月中に
- 三段重は3〜4人前。2人なら一段重か二段重。三段を買うと余る
- 余らせるのがいちばんもったいない。少し足りないくらいがちょうどいい
- 冷凍は早く届いて冷凍庫で待てるのが利点。ただし冷凍庫の空きを先に確保する
- 中身は「正月らしさ」より家族が実際に食べるかで選ぶ
- 解凍は冷蔵庫で24時間、重ねない、レンジは使わない。元日の朝に食べるなら大晦日の朝に移す
- 予約前に配送日・キャンセル期限・送料・原材料を確認する
- 全部作る必要はない。買ったおせちに1〜2品足すのがいちばん現実的

