冬になると、朝カーテンを開けた瞬間にげんなりします。窓ガラス一面の水滴。サッシには水たまり。放っておくとゴムパッキンが黒くなり、カーテンの裾にまでカビが出る。
拭いても拭いても翌朝には元通りで、そのうち諦めてしまう。よくある話です。
ただ、結露は「拭く」より「出させない」ほうがずっと楽です。しかも仕組みは単純で、押さえるべき条件は3つしかありません。
なぜ結露するのか:3つの条件

結露は、空気中の水蒸気が冷やされて水に戻る現象です。
空気が抱えられる水蒸気の量には限界があり、その限界は温度が下がるほど小さくなります。暖かい室内の空気が冷たい窓ガラスに触れると急に冷やされ、抱えきれなくなった分が水滴として出てくる。これが結露です。つまり、結露が起きるのは次の3つが揃ったときです。
- 室温が高い(空気がたくさん水蒸気を含んでいる)
- 湿度が高い(そもそも水蒸気が多い)
- 窓の表面温度が低い(そこで急激に冷やされる)
ということは、このうちどれか1つを崩せば結露は減ります。どれを動かすかは、住まいの事情に合わせて選べばいい。この記事では2と3を中心に扱います(1を下げる、つまり寒くして暮らすのは本末転倒なので)。
意外な水蒸気の発生源
「うちは加湿器も使っていないのに結露する」という場合、別のところから水蒸気が出ています。
- 人の呼吸と汗 … 就寝中も出続けます。寝室の窓が特に濡れるのはこのためです
- 調理 … 煮炊きの湯気
- 入浴 … 浴室のドアを開け放つと湿気が家中に回ります
- 洗濯物の部屋干し … 干した水分はすべて室内の空気に移ります
- 観葉植物、水槽
そして、見落とされがちなのがこれです。
石油ストーブ・ガスファンヒーターは水蒸気を出す
灯油やガスを室内で燃やすタイプの暖房器具(開放型)は、燃焼するときに水蒸気を発生させます。
目安として、灯油1リットルを燃やすと、およそ1リットル分の水が室内に放出されます。タンク一杯分を使い切れば、それだけの水を部屋に撒いたのと近い状態になるわけです。
「暖房を強くするほど結露がひどくなる」と感じているなら、暖房器具そのものが原因かもしれません。エアコン、FF式(給排気を屋外と行う)ストーブ、電気ヒーターは室内に水蒸気を出しません。結露に悩んでいるなら、暖房方式の見直しも選択肢になります。
対策1:換気(24時間換気を止めない)
いちばん基本的で、いちばん効きます。
24時間換気システムを止めない
2003年以降に建てられた住宅には、24時間換気システムの設置が義務づけられています。スイッチが常時オンになっているはずのものです。
ところが、「寒いから」「電気代がもったいないから」と切ってしまっている家庭が少なくありません。これを止めると湿気が家に溜まり続けます。
- スイッチを切らない
- 給気口(壁にある丸い吸気の穴)を閉めない
- 給気口のフィルターを定期的に掃除する(詰まると換気されません)
給気口のフィルターは、掃除機で吸うか水洗いできます。何年も掃除していないなら、開けてみてください。かなり汚れているはずです。
窓を開ける換気も併用する
1〜2時間に5分程度でも効果があります。寒い時期はためらいがちですが、短時間でも空気は入れ替わります。コツは、対角線上にある2か所を開けることです。1か所だけだと空気が流れません。
換気しにくい場所を意識する
押し入れ、クローゼット、家具の裏、北側の部屋。空気が動かない場所ほど結露とカビが出ます。ときどき扉を開けておくだけでも違います。
対策2:湿度を40〜60%に保つ
冬の適正湿度は40〜60%とされています。
湿度計を置く
体感では正確にわかりません。まず湿度計を1つ置いてください。千円もしません。数字が見えると管理できるようになります。
加湿しすぎていないか
見落とされやすいのがこれです。乾燥対策で加湿器を強めに回し続けた結果、加湿が原因で結露しているというケースがあります。湿度が60%を超えているなら、加湿器の設定を下げるか止めてください。ウイルス対策の目安として言われる湿度も、上限は60%程度です。
部屋干しの位置を工夫する
部屋干しは冬の結露の大きな原因です。やめるのが難しければ、次のように緩和できます。
- 窓の近くではなく、空気が動く場所に干す
- 除湿機やサーキュレーターを併用する
- 浴室乾燥があるなら浴室で干す
部屋干しそのものについては、洗濯物の生乾き臭を防ぐ方法 にまとめています。乾かし方を変えると、においも結露も同時に軽くなります。
対策3:窓の表面温度を上げる
3つ目の条件、「窓が冷たい」を崩す方法です。
断熱シート・気泡緩衝材
窓ガラスに貼るタイプの断熱シートが市販されています。梱包用の気泡緩衝材(プチプチ)でも代用できます。見た目は良くありませんが、費用対効果は高い方法です。透明度の高い製品を選べば、光もそれなりに入ります。
断熱テープ・すき間テープ
アルミサッシの枠は熱が伝わりやすく、ここにも結露が出ます。サッシ用の断熱テープを貼ると軽減できます。
厚手のカーテン
カーテンで冷気を遮ると室内は暖かくなりますが、カーテンと窓の間の空気が冷えて、そこで結露が増えることもあります。朝はカーテンを開けて空気を通す、丈の長すぎるカーテンで窓を密閉しない、といった使い方が現実的です。
内窓(二重窓)の設置
もっとも効果が大きい方法です。既存の窓の内側にもう1枚窓を付けます。結露だけでなく断熱・防音にも効きます。費用はかかりますが、自治体によっては断熱改修の補助制度がある場合があります。持ち家で長く住むなら検討する価値があります。
対策4:空気を動かす・家具を離す

空気が滞留する場所ほど結露します。
- サーキュレーターや扇風機を窓に向ける(表面の空気を動かすだけで違います)
- 家具は壁にぴったりつけず、5cm程度離す
- ベッドや布団を窓に密着させない
特に北側の壁と家具の隙間は、気づいたときにはカビている定番の場所です。
出てしまった結露の拭き方
予防しても完全にはゼロになりません。出たら早めに取ります。
- スクイジー(水切りワイパー)でガラスの水を下に落とす
- サッシに溜まった水を雑巾で吸い取る
- 乾いた布で仕上げる
結露取り専用のワイパー(水を吸い取るタンク付き)も市販されています。毎朝やるなら、雑巾より圧倒的に楽です。
吸水テープは「貼りっぱなし」にしない
窓の下に貼る吸水テープは便利ですが、水を吸ったまま放置するとそこがカビます。メーカーの指定に従って定期的に交換してください。貼ったまま何シーズンも使うものではありません。
カビが生えてしまったら
ゴムパッキンの黒カビ
奥まで入り込んでいるので、拭くだけでは取れません。塩素系のカビ取り剤を使い、しっかり換気しながら作業します。
塩素系の製品は、酸性のものと混ぜると有毒なガスが発生します。他の洗剤と併用しないでください。
壁紙やカーテンのカビ
軽度なら消毒用エタノールを吹き付けて拭き取ります。広がっている場合や、壁の内部まで及んでいそうな場合は、無理をせず専門業者に相談してください。
賃貸の人は特に注意
結露を放置してカビが広がると、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。
建物の構造上の問題であれば借主の責任にはなりませんが、「換気をせず放置した」と判断されると、借主側の管理不足とみなされることがあります。
- 24時間換気を切らない
- 結露を放置しない
- 家具を壁から離す
- カビが出たら早めに対処する
こうした対応をしておくことが、結果的に自分を守ることになります。ひどい場合は、早い段階で管理会社に相談しておくのも有効です。
まとめ
- 結露は「室温が高い・湿度が高い・窓が冷たい」の3条件が揃うと起きる。どれか1つを崩せば減る
- 加湿器を使っていなくても、呼吸・調理・入浴・部屋干しから水蒸気は出ている
- 石油ストーブやガスファンヒーターは燃焼時に水蒸気を出す(灯油1Lでおよそ1L分)
- 24時間換気を止めない。給気口も閉めない。フィルターは定期的に掃除する
- 窓開け換気は対角線上の2か所を開けると空気が流れる
- 冬の適正湿度は40〜60%。湿度計を置いて数字で管理する
- 加湿しすぎが結露の原因になっていることがある
- 部屋干しは窓際を避け、除湿機やサーキュレーターを併用する
- 窓には断熱シートや気泡緩衝材。効果が最も大きいのは内窓の設置
- 家具は壁から5cm程度離す。北側の壁と家具の隙間はカビの定番
- 結露はスクイジーで落として拭く。吸水テープは貼りっぱなしにしない
- 塩素系カビ取り剤は酸性のものと混ぜない
- 賃貸では放置すると退去時に請求される可能性がある。換気と早めの対処を

