梅雨が明けて押し入れを開けたら、布団に黒い点々が出ていた。クローゼットの奥の服が、なんとなくカビくさい。
カビは、生えてから落とすより、生えない部屋にするほうがずっと楽です。そして、生えない部屋にするための目安は、ひとつの数字で言えます。
湿度を70%より下に保つことです。
カビが増える3つの条件

カビは、次の3つがそろうと一気に増えます。
- 温度が20〜30℃
- 湿度が70%以上
- エサがある(ホコリ、皮脂、石けんカス、食べこぼし)
湿度は60%を超えると生えやすくなり、75〜90%でいちばん増えます。 梅雨の部屋は、まさにこの状態です。
温度は下げられません。人が快適に過ごす温度が、カビにとっても快適だからです。だから手をつけるのは湿度とエサの2つになります。
まず湿度計を置く
「なんとなく湿っぽい」では対策が決まりません。 安いものでいいので、湿度計を部屋に置いてください。
70%を超えていたら除湿する。60%前後まで下がっていれば大丈夫。数字が見えると、やることがはっきりします。
部屋の湿度を下げる
換気は「2か所開ける」
窓を1か所だけ開けても、空気はほとんど入れ替わりません。空気の入り口と出口を作るために、2か所開けてください。 できれば部屋の対角線上にある窓どうしです。
窓が1つしかない部屋は、ドアを開けて換気扇を回すと、同じように空気が流れます。
雨の日は、窓より換気扇
ここは迷いやすいところです。
雨の日は、外の空気も湿っています。 窓を大きく開けると、湿った空気を部屋に入れることになります。
- 雨が強い日 … 窓は閉めて、換気扇とエアコンの除湿で湿気を外に出す
- 雨の合間や晴れ間 … まとめて窓を開けて換気する
閉め切ったままがいちばんよくありません。外が湿っている日は、窓ではなく機械で湿気を外に出すと考えてください。
エアコンの除湿、除湿機を使う
湿度が70%を超えるなら、エアコンの除湿か除湿機を使うのが確実です。
扇風機やサーキュレーターで空気を動かすだけでも、カビは生えにくくなります。湿った空気がよどむ場所を作らないことが大事です。
場所ごとの対策

浴室
いちばんカビが生えやすい場所です。水分も、石けんカスというエサもそろっています。
お風呂を出るときに、この順番でやってください。
- 壁や床に50℃くらいのお湯を5秒ほどかける(カビは50℃以上で弱る)
- 冷たい水をかけて、浴室の温度を下げる
- 壁と床の水気を、使ったタオルでざっと拭く
- 換気扇を回し、ドアを閉める
お湯をかけたあと冷水で温度を下げるのがポイントです。暖かいままだと、カビにとっていい環境が続きます。
水気を拭くのは面倒に感じますが、床と壁の下のほうだけでも効果があります。
押し入れ・クローゼット
湿気がたまりやすく、しかも閉めっぱなしになる場所です。
- 床にすのこを敷く。布団や箱を直接置かない
- 壁から少し離して置く。壁際は湿気がこもります
- 詰め込みすぎない。7〜8割くらいに収めて、空気の通り道を作る
- 除湿剤は下のほうと四隅に置く。湿った空気は下にたまります
- 晴れた日は戸を開けて、扇風機で風を送る
服をしまうときは、汗や皮脂を落としてから入れてください。汚れはカビのエサになります。しまい方は 衣替えで服を傷ませない手順 にまとめています。
キッチン
- シンク下の扉をときどき開けて、空気を入れ替える
- 排水口のゴミはためない
- ふきんやスポンジは、しっかり乾かす
家具の裏
家具は壁から5cmほど離して置くと、裏に空気が通ります。ぴったりくっつけると、その間だけ湿気が逃げなくなります。
部屋干しの湿気に気をつける
梅雨は洗濯物を部屋に干すことが増えます。洗濯物から出る水分で、部屋の湿度は一気に上がります。
- 干す部屋では除湿機かエアコンの除湿を使う
- サーキュレーターで洗濯物に風を当てる
- 寝室には干さない
部屋干しのにおいを防ぐ方法は 洗濯物の生乾き臭を防ぐ方法 に書いています。
生えてしまったら
小さなカビなら、自分で落とせます。
- 浴室のゴムパッキンやタイルの目地 … 塩素系のカビ取り剤
- 布団や服 … 外で日に当てて乾かし、表面をはたく(部屋の中ではたかない)
塩素系の洗剤は、酸性のもの(クエン酸や酢など)と絶対に混ぜないでください。 有毒なガスが出ます。続けて使うときも、しっかり水で流してからにしてください。混ぜてはいけない組み合わせは 重曹とクエン酸の違いと使い分け方 にまとめています。
広い範囲に生えている、壁の中まで黒くなっているときは、無理をせず管理会社や専門の業者に相談してください。
冬の結露との違い
冬のカビは、窓の結露がきっかけになることが多いです。暖かい部屋の空気が冷たい窓で冷やされて、水滴になるからです。
梅雨のカビは、部屋全体の湿気が原因です。窓だけでなく、押し入れも浴室も家具の裏も、全部が同時に湿っています。
冬の対策は 窓の結露を防ぐ方法 に書いています。どちらも、湿気をためず、空気を動かすという考え方は同じです。
まとめ
- カビは温度20〜30℃・湿度70%以上・エサの3つがそろうと増える
- 湿度は60%を超えると生えやすく、75〜90%でいちばん増える
- 温度は下げられないので、湿度とエサに手をつける
- まず湿度計を置く。70%を超えたら除湿する
- 換気は2か所開けて空気の通り道を作る
- 雨の日は窓より換気扇とエアコンの除湿。晴れ間にまとめて窓を開ける
- 扇風機やサーキュレーターで空気を動かすだけでも効く
- 浴室は50℃のお湯を5秒→冷水→水気を拭く→換気扇
- 押し入れはすのこ、壁から離す、7〜8割、除湿剤は下と四隅
- 服は汚れを落としてからしまう
- 家具は壁から5cmほど離す
- 部屋干しは除湿とサーキュレーター。寝室には干さない
- 塩素系の洗剤と酸性のものは絶対に混ぜない
- 広い範囲に生えたら管理会社や業者に相談する
- 冬は窓の結露、梅雨は部屋全体の湿気が原因になる

