春にしまった服を秋に出したら、襟が黄ばんでいた。セーターに小さな穴があいていた。
衣替えの失敗は、出すときではなく、しまうときに起きています。 入れ替えの作業そのものより、しまう前の一手間で結果が決まります。
いつやるか
目安は最低気温が18℃を下回るころです。多くの地域で10月上旬から中旬にあたります。
ただし、一気に全部入れ替える必要はありません。 秋は暑い日と寒い日が入り混じるので、2〜3週間ほど移行期間をとるほうが実際的です。
- まず長袖と羽織りものを出す
- 半袖はすぐ取り出せる場所に残しておく
- 気温が安定したら、夏物をしまう
作業する日は、湿度の低い晴れた日の10時〜14時が向いています。湿気を一緒に閉じ込めないためです。
しまう前に、必ず洗う

ここがいちばん大事です。
一度しか着ていない服でも、汗や皮脂は見えないところに付いています。 しまった直後はきれいに見えても、数か月たつと酸化して黄ばみやシミとして浮き上がります。
食べこぼしも同じです。目立たなかった跡が、半年後にはっきりしたシミになります。
- 「一度着ただけ」でも洗ってからしまう
- 襟・袖口・脇は特に念入りに
- 家で洗えないものはクリーニングに出す
虫も汚れを好みます。 皮脂や食べこぼしが付いた部分から食われやすいので、洗うことは虫食い対策にもなります。
よく乾かしてから
洗ったあと、完全に乾いていない状態でしまうのは厳禁です。湿気がこもってカビの原因になります。
厚手のものは表面が乾いていても中が湿っていることがあります。1日余分に干すくらいで構いません。部屋干しで早く乾かすコツは 冬に洗濯物が乾かない理由と早く乾かす方法 にまとめています。
クリーニングのカバーは外す
見落とされがちなところです。
クリーニングから戻ってきたビニールのカバーは、かけたまま保管してはいけません。
- 通気性が悪く、中に湿気がこもってカビの原因になる
- 空気中の燃焼ガスと染料が反応して変色することがある
あのカバーは持ち帰るときの汚れよけです。家に着いたら外して、不織布のカバーに替えるか、何もかけずに吊るしてください。
防虫剤の置き方

衣類の上に置く
防虫剤の成分は空気より重く、上から下へ広がります。
だから、衣装ケースや引き出しでは、衣類のいちばん上に置くのが正解です。底に敷いても、上のほうの服には届きません。
クローゼットに吊るすタイプは、ハンガーパイプの高いところにかけます。
種類を混ぜない
これがいちばん危険な失敗です。
防虫剤にはいくつか種類があり、組み合わせによっては溶けて液体になり、衣類に油状のシミをつくります。
- 1つの収納には1種類だけ使う
- 違う種類に替えるときは、前のものを全部取り出してから
- においのないタイプ(ピレスロイド系)は他と併用できるとされていますが、迷ったら混ぜない
去年の防虫剤が残っているところに、新しく別の種類を足す。これが典型的な失敗パターンです。
期限を確認する
防虫剤には有効期限があります。半年用、1年用などと書いてあるので、交換時期が来たら入れ替えてください。効果の切れた防虫剤を入れていても意味がありません。
詰め込みすぎない
収納は8割までが目安です。
詰め込みすぎると、
- 防虫剤の成分が行き渡らない
- 空気が動かず湿気がこもる
- 服にしわと型崩れがつく
入りきらないなら、それは手放すきっかけかもしれません。1年着なかった服は、来年も着ない可能性が高いです。
除湿剤も入れておく
湿気は、虫とカビの両方の原因になります。
衣装ケースや押し入れには、防虫剤と一緒に除湿剤も入れておくと安心です。除湿剤は水が溜まるタイプなら、満杯になっていないか衣替えのたびに確認してください。
素材ごとの注意
- ウール・カシミヤ … 虫がいちばん好む素材。必ず洗ってから、防虫剤を忘れずに
- ダウン … 圧縮袋で潰しすぎると、羽毛が戻らなくなる。ふんわり収納する
- 革製品 … 湿気でカビが生えやすい。風通しのいい場所に吊るす
- ニット … 吊るすと伸びる。たたんで収納する
圧縮袋はダウンやニットには向きません。 かさばるものを減らしたい気持ちはわかりますが、繊維が潰れて戻らなくなります。
しまうときに、ついでに見直す
衣替えは、持ち物を見直すいちばんいい機会です。
- 1年間一度も着なかった服
- サイズが合わなくなった服
- 傷みや毛玉が目立つ服
これらは次のシーズンも着ない可能性が高い。しまう前に手放すかどうか決めると、収納にも余裕が出ます。
年末の大掃除の前に服の量を減らしておくと、そのあとが楽です。段取りは 大掃除はいつから始める? にまとめました。
出すときも一手間
秋冬物を出したら、すぐに着ないで一度風に当てると、防虫剤のにおいが抜けます。
しまい込んでいた間にシミが浮いていないかも、このタイミングで確認してください。早く見つければ、落とせる可能性が高くなります。
まとめ
- 衣替えの失敗はしまうときに起きている
- 目安は最低気温が18℃を下回るころ。10月上旬〜中旬
- 2〜3週間の移行期間をとる。一気に全部入れ替えなくていい
- 作業は湿度の低い晴れた日の10時〜14時
- 「一度着ただけ」でも洗ってからしまう。汗や皮脂が数か月後に黄ばみになる
- 汚れた部分は虫にも食われやすい。洗うことが虫食い対策にもなる
- 完全に乾かしてからしまう。湿ったままはカビの原因
- クリーニングのビニールカバーは外す。湿気と変色の原因になる
- 防虫剤は衣類の上に置く。成分は空気より重く、上から下へ広がる
- 防虫剤の種類を混ぜない。溶けて衣類に油状のシミができる
- 違う種類に替えるときは前のものを全部出してから
- 有効期限を確認する
- 収納は8割まで。詰めると防虫剤が行き渡らず湿気もこもる
- 除湿剤も一緒に入れる
- ダウンとニットに圧縮袋は向かない。繊維が潰れて戻らない
- しまう前に1年着なかった服を見直す
- 出したら一度風に当ててにおいを抜き、シミがないか確認する

