梅シロップは、材料が梅と氷砂糖だけです。作り方も、瓶に入れて待つだけ。
それなのに、初めて作ると泡が出てきた、白く濁った、カビが浮いたという失敗がよく起きます。
原因はだいたい決まっています。水気、傷のある梅、ゆすらないこと、置き場所の温度。 この4つを押さえれば、失敗はぐっと減ります。
青梅が出回るのは、短いあいだだけ
梅シロップに使う青梅が店に並ぶのは、5月下旬から6月中旬ごろです。ほんの3週間ほどしかありません。
「作ろうかな」と思ったら、その週に買うくらいのつもりでいてください。見かけなくなってから探しても、もうありません。
選ぶときは、傷やシミがなく、かたくて、表面にハリがあるものを。傷んだ梅は、カビや濁りのもとになります。
材料と道具
- 青梅 … 1kg
- 氷砂糖 … 1kg(梅と同じ重さ)
- 酢 … 100〜200ml(入れなくても作れますが、入れると失敗しにくい)
- 保存瓶 … 4リットルくらいのもの
- 竹串
梅と氷砂糖は1対1が基本です。氷砂糖を使うのは、ゆっくり溶けて、梅のエキスがじっくり出てくるからです。
酢を少し加えると、発酵やカビが起きにくくなります。酸っぱくなりすぎることはなく、さっぱりした味になります。
作り方

1. 瓶をきれいにして、完全に乾かす
ここが失敗をいちばん防ぐ工程です。
瓶を洗って、熱湯をかけるか、食品にも使えるアルコールで拭きます。そのあと、水気が一滴も残らないまで、しっかり乾かしてください。
カビの原因でいちばん多いのが、瓶に残った水気です。
2. 梅を洗って、水気を拭く
梅をやさしく洗い、たっぷりの水に1〜2時間ほど浸けてアクを抜きます。
そのあと、ふきんで1つずつ水気を拭き取ります。 ここでも水気は残さないでください。
3. なり口(へた)を取る
竹串で、梅のなり口(黒い小さなへた)を取り除きます。 ここに汚れがたまっていて、残すと濁りやえぐみの原因になります。
傷つけないように、竹串の先でそっと持ち上げるように取ります。
4. 梅と氷砂糖を交互に入れる
瓶に、梅→氷砂糖→梅→氷砂糖と交互に入れていきます。いちばん上は氷砂糖にします。
酢を入れる場合は、最後に上から回しかけます。
5. 毎日ゆする
ふたをして、冷暗所に置きます。
1日1回、瓶をやさしくゆすってください。 溶けた砂糖が下にたまって、上のほうの梅がシロップにつからないままになると、そこから発酵やカビが起きます。全体がシロップにつかった状態を保つのが目的です。
6. 2〜3週間で完成
氷砂糖が溶けきって、梅がしわしわになったら完成です。だいたい2〜3週間かかります。
完成したら、梅を取り出してください。 長く入れっぱなしにすると、梅の苦みやえぐみがシロップに移ります。
冷凍した梅なら、6日ほどでできる
時間をかけたくないなら、梅を一度冷凍してから使う方法があります。
洗って水気を拭き、なり口を取った梅を、冷凍用の袋に入れて一晩以上凍らせます。 凍ったまま瓶に入れて、あとは同じ手順です。
凍ることで梅の細胞が壊れ、エキスが早く出てくるので、6日ほどで完成します。
青梅の時期に作る時間がないときは、とりあえず冷凍しておくこともできます。冷凍のコツは 食材の冷凍保存でよくある間違い5つ にまとめています。
泡が出てきたら、発酵

瓶の中に細かい泡が出てきた、ふたを開けるとプシュッと音がする、お酒のようなにおいがする。
これは発酵です。腐っているわけではありません。 梅についている酵母が、砂糖を食べてガスを出している状態です。
発酵しかけたら
- 泡が少し出始めた段階なら、冷蔵庫に移す。 温度が下がると発酵が止まります
- 泡がはっきり出ている、においが強いなら、加熱する
加熱のしかた
- 梅を取り出す
- シロップを鍋に移し、弱火で煮立たせないように温めながら、出てくるアクを取る
- 冷めたら、きれいな瓶に戻す
- 取り出した梅も、シロップと一緒にさっと煮て戻すこともできます
発酵が起きやすいのは、暑い部屋に置いたときです。台所のコンロの近くや、日の当たる窓辺は避けてください。
カビが浮いたら
白い膜や、ふわっとした綿のようなものが浮いていたら、カビです。
- 少量なら、カビとそのまわりのシロップをすくい取り、残りを加熱する
- 広がっている、梅にまで生えている、においがおかしいなら、もったいなくても捨てる
迷ったら捨てる、が安全です。
保存
完成したシロップは、冷蔵庫で保存します。
- そのまま … 3〜4か月が目安
- 一度加熱してから … 半年くらいが目安
常温に置いておくと、あとから発酵することがあります。完成したら、梅を取り出し、冷蔵庫へと覚えておいてください。
飲み方
シロップ1に対して、水か炭酸水を4〜5で割るのが基本です。
- 水で割る … 夏の水分補給に
- 炭酸水で割る … 梅ソーダ
- お湯で割る … 冬にも飲める
- かき氷にかける、ヨーグルトにかける
取り出した梅も、刻んでジャムにしたり、そのまま食べたりできます。
青梅を、生でかじらない
最後にひとつだけ注意です。
熟していない青梅や、梅の種の中には、生で食べると体に悪い成分が含まれています。農林水産省も「青梅は生で食べないように」と呼びかけています。
ただし、シロップや梅干し、梅酒にしたものは、この成分が減るので、ふつうに飲んだり食べたりする分には心配ありません。 作業中に、生の青梅をかじらないことだけ気をつけてください。
季節の手仕事として
梅シロップは、この時期にしか作れないものです。たけのこのあく抜きや、さつまいもの保存と同じで、旬のものを手間をかけて長く楽しむ仕事です。
春のたけのこは たけのこのあく抜き、秋のさつまいもは さつまいもを甘くする保存と焼き方 にまとめています。
まとめ
- 青梅が出回るのは5月下旬から6月中旬の短いあいだだけ
- 梅と氷砂糖は1対1。酢を少し入れると失敗しにくい
- 瓶はきれいにして、水気を完全に乾かす。カビの原因でいちばん多い
- 梅は洗って水気を拭き、竹串でなり口を取る
- 梅と氷砂糖を交互に入れる。いちばん上は氷砂糖
- 1日1回、瓶をやさしくゆする。梅がシロップにつかった状態を保つ
- 冷暗所に置く。暑い場所は発酵しやすい
- 2〜3週間で完成。完成したら梅を取り出す
- 冷凍した梅なら6日ほどでできる
- 泡が出る・プシュッと音がする・お酒のにおいは発酵。腐敗ではない
- 発酵しかけたら冷蔵庫へ。進んでいたら加熱してアクを取る
- 白い膜や綿のようなものはカビ。広がっていたら捨てる
- 保存は冷蔵庫で3〜4か月、加熱してからなら半年が目安
- シロップ1に水か炭酸水4〜5で割る
- 生の青梅はかじらない。シロップにしたものは心配ない

