ここでは、初任だけど「教員を辞めたい」って思ってしまった先生に向けて、どうすればいいのか、対処法や乗り越え方、考え方を徹底的にご紹介します。
初任でもベテランでも「教員を辞めたい」って思うのは普通のこと
あなただけがそんなふうに思うわけではありません。
ほとんどの先生がこれまで
「先生もう辞めたい」
って思ったことがあるはずです。
初任の先生でも「あるある」
初任であろうとそう思っても仕方のないことです。
だからあなただけが、「弱気」とか「いくじなし」というわけではないんです。
やっと先生になれた初任なのに「教員を辞めたい」と思ってしまったとき、どのように自分自身と向き合っていけばいいか紹介していきます。
教員を辞めたいと思ってしまう理由
そもそも、教員を辞めたいって思ってしまう理由にはどんなものがあるのでしょうか。
ここで代表的な教員を辞めたい理由をリストアップしておきます。
- 給料が少ない
- サービス残業が多い
- 人間関係がよくない
- 忙しい
- ストレスが大きい
あなたはどんな理由で辞めたいと思ってしまいますか?
まずは今までの教員生活を思い出して、どんな部分が嫌だったのか考えておきましょう。
教員を1年以内に辞めてしまう人は増えている
教員採用試験に合格して、晴れて先生になっても、残念ながら1年以内に辞めてしまう先生もいます。
東京都は、2022年度に正規採用した公立の小中高校、特別支援学校などの新任教諭2429人のうち108人(全体の4・4%)が今年3月までに辞めており、割合は過去10年間で最高(朝日6/20)と発表した。
引用:星槎大学大学院
もし本気で辞めたいのなら
もし、あなたが本当に教員を辞めたいと思っているのであれば、早めに対応した方がいいでしょう。
上記のように、1年以内に辞めてしまった先生は、すぐに自分とのギャップに気付いたのではないでしょうか。
ただ、かんたんに辞めてしまわないようにじっくり考えてください。
強いストレスを感じたら
大学を卒業して仕事を始めると、誰もが環境の違いに驚きます。
そして少なからずストレスを感じてしまうでしょう。
だいたいは慣れていきますが、もし強いストレスを感じ続けるようであれば、そのときは退職も視野に入れて考えましょう。
体を壊してまで働く必要はありません。
初任で教員を辞めたいと思った先生へ
さて、ここで初任だけど先生を辞めたいと思った先生にご提案です。
まずは夏休みまで
本当に先生になったばかりで、
「もう辞めたい…」
って思っているのであれば、もう少し夏休みまでがんばってみませんか?
先生の仕事って忙しくて土日をゆっくり休むことはできませんが、夏休みは意外とゆっくりできるんです。
その期間にエネルギーを充電しておきましょう。
7月中は、面談とか会議とか研修とかがありますが、やっぱり授業がないだけでかなり負担は減ると思います。
だからもし、まだ夏休みを経験していないのに辞めたいと思っているのであれば、もう少しだけがんばってみてください。
いきなり辞めない
いきなり先生を辞めてしまうのではなく、その前にちょっと休んでみませんか?
「ちょっと疲れたな」
「もう無理かも」
って思ってしまったら、1日学校を休んでみましょう。
先生には年休という会社でいう有給のような休めるシステムがあります。
それを先生も使っていいんですよ。
基本的に休む理由を伝えなくていいので、特別な用事がなくても休めます。
「ちょっと家の都合で…」
とでもいって休んでしまいましょう。
どうしてもなら休職を
ちょっと休んでもどうにもならない場合は、休職という方法もあります。
お給料を少しもらえる状態のまま、仕事を休めるので辞める前にまずは休職しましょう。
その期間に、自分はどうしたいか考えればいいんです。
ちゃんと相談しましたか?
「先生辞めたいな」
そんな気持ちを誰かに相談しましたか?
あなたひとりで抱え込んでいませんか?
まずは、誰かに相談することが大切です。
的確なアドバイスをもらうことよりも、問題を解決させることよりも、あなたの心の負担を少し軽くしてくれることが重要なんです。
もし、あまり相談できない性格だったり、相談できる人が身近にいない人は、ネット上の顔も知らない人でもいいと思います。
僕でもいいので、気軽にどんどん相談してください。
初任者が1年目をどうにか乗り切る方法
先生として働き始めた1年目は、誰にとっても厳しい1年となります。
何もわからないまま、現場に放り込まれるのだから当たり前です。
ここでは、どうにか1年目を乗り切るための方法を紹介していきます。
体調は念入りにチェックする
まずはあなたの体調が大切です。
毎日自分の体調を念入りにチェックしましょう。
- 体がだるくないか
- 土日休んで疲れがとれるか
- 食欲はあるか
- やる気はあるか
- 風邪をひいていないか
上記のことを普段からチェックしておきましょう。
もし異変を感じたら休んだり、誰かに相談しましょうね。
わからないことはすぐに聞く
仕事をしていく中で、わからないことが出てきたらすぐに相談しましょう。
初任の先生はわからないことだらけです。
だからわからないのは当たり前。
初任の先生は「聞くのが仕事」ぐらいな気持ちでいていいんです。
知らなきゃできないのでどんどん聞きましょう。
おすすめは日記
初心者が1年目を乗り切るのにおすすめの方法が日記をつけることです。
- どんな授業をしたか
- どんな行事があったか
仕事の記録としても大切です。
2年目以降の大きな財産になります。
- 辛かったこと
- 嬉しかったこと
自分の気持ちもそのまま書いてみましょう。
気持ちの整理をつけることができるし、
「あのとき辛いのによくがんばったな」
って思えるようになります。
あなたの心と身体は一番大事
ここまでいろいろとお話してきましたが、一番大事なのはあなた自身です。
心身が壊れてしまったら取り返しがつかない
先生の仕事は、正直いって大変です。
楽ではありません。
がんばりすぎて、心や身体を壊してしまう人がたくさんいます。
- うつ病になって社会復帰ができない
- 疲れすぎて事故にあってしまった
そうなってしまっては取り返しのつかないことになってしまいます。
がんばることも大切ですが、自分のことはちゃんと大切にしてください。
異変を感じたらまずは休むこと
もし、ちょっとおかしいな、なんか変だなって思ったらすぐに休むこと。
絶対に無理をしてはいけません。
早退してもいいし、ちょっとお休みしてもいいんです。
先生はロボットじゃないですから、ちゃんと自分を大切にしてくださいね。
初任で先生を辞めたいと思ったらまずは行動してみる
ちょっと本格的に「先生を辞めたい」と思っているのであれば、まずは行動してみましょう。
教員を続けるべきかちゃんと考える
まずは、現実的に教員をこのまま続けるべきかを考えてください。
仕事が嫌なのか、職場が嫌なのか
そもそも先生という仕事が嫌だと感じるのか、それとも今勤務している職場だから嫌だと感じるのかを考えましょう。
もし、職場が嫌なら異動するだけで解決するかもしれません。
初任の先生でも1年だけで異動することもできます。
管理職の先生に相談してみましょう。
他の仕事と比較して考える
先生を辞めたいと本格的に思い始めたら、他の仕事とも比較してみましょう。
そしたら先生の仕事の魅力を再確認できるかもしれません。
こちらは教員の仕事のメリットデメリットをかんたんに表したものです。
メリット | デメリット |
---|---|
長期休みがある | 忙しい |
安定している | 残業代が出ない |
年2回のボーナスは確実 | 昇給しにくい |
参考にしてください。
いつやめるか考える
どのタイミングでやめようとしているのかも具体的に考えてみましょう。
- いますぐにでも辞めたい
- この1年はがんばってみよう
- 5年間はがんばるぞ
そのタイミングによってはやるべきことも変わってきます。
それとも
「いつか辞められたらいいな」
くらいでいいですか?
相談をする
誰かに相談することも、行動の1つです。
教員を辞めたい気持ちをひとりで抱え込んでしまわずに相談しましょう。
身近な人
まずは身近な家族や友人に相談しましょう。
仕事を辞めることに関して言えば、家族の問題でもあるので、必ず相談してみましょうね。
あなたの今の気持ちをちゃんと伝えて、どうすべきがいいかアドバイスをもらいましょう。
友人には気楽な気持ちで相談できそうですかね。
カウンセラー
もし、教員の仕事でストレスを感じてしまっている場合は、カウンセラーに相談するのも1つの手です。
学校にきているスクールカウンセラーでもいいし、一般的な心理カウンセラーでもいいでしょう。
不安なときは一度専門家に相談してみましょう。
専門家に相談したということだけで、気持ちが軽くなりますよ。
転職エージェント
本格的に転職したいと考えているのであれば、転職エージェントや転職サイトに相談することをおすすめします。
もし教員以外の仕事に転職したいのであれば、先生をしながら転職のことまで考えることは難しいでしょう。
転職するのであればプロに相談するのが一番の近道です。
少し転職活動を始めてみる
もし先生を辞めて転職をしたいと思っているのであれば、少しだけ転職活動を始めてみましょう。
求人サイトを見る
まずは、求人サイトを見てどんな仕事があるのか確認しておきましょう。
アルバイトを探すときにもしていると思いますが、転職を考えるときも求人サイトを活用しましょう。
- どのくらいの給料がもらえるのか
- 就職できる条件は
申し込みはまだしなくていいので確認だけはしてみましょう。
転職サイトや転職エージェントに登録する
無料で使える転職サイトや転職エージェントに登録しちゃいましょう。
無料で求人を紹介してもらったり、無料で転職の相談したりできます。
「ちょっと転職したいかも」
ぐらいの時点でも相談できるので気軽に相談してみてください。
教員からの転職に有利なものを紹介してくれるかもしれません。
初任で教員を辞めるメリット・デメリット
ここでは、かんたんに初任で教員を辞めてしまうデメリットを紹介しておきます。
メリット
自分の人生を無駄にしない
教員をいやいや続けて最終的に辞めるのであれば、その期間が無駄になってしまいます。
限られた人生を無駄にしているようなものなので、すばやく初任で教員を辞めることにメリットがあります。
体を壊さずに済む
辞めたいと思っているのに、我慢しながら仕事をしていると、いずれ体を壊してしまいます。
初任のうちに辞めてしまえば、体を壊さずに済むので、自分を守る上で大きなメリットになります。
いちはやくキャリアチェンジできる
初任ですぐ辞めてしまえば、すぐに転職して再スタートすることができます。
転職をするのであれば、早ければ早い方がいいでしょう。
デメリット
新卒に比べると求人が減ってしまう
やはり就職には新卒が有利です。
初任で先生を辞めて転職活動をしようとすると「第二新卒」として扱われます。
それでも有利には変わりませんが、やはり新卒がもつブランドよりは落ちてしまいます。
早期退職の理由を面接で聞かれる
転職の面接のとき、必ずと言っていいほど先生を1年以内に退職した理由を聞かれます。
きちんと答えられれば問題ないですが、会社によっては「すぐにあきらめてしまう人」というイメージを持たれてしまう場合もあるので注意しましょう。
初任で教員を辞める実際の流れ
ここでは実際に初任で教員を辞める実際の流れをかんたんに紹介します。
- 校長先生に報告
- 事務の先生から渡された書類を作成
- 学年の先生に報告
校長先生に報告
まずは校長先生に辞めたい意思を伝えましょう。
できるだけ早く相談するといいですが、遅くとも辞める1か月前には相談する必要があります。
もちろん、まだ周囲の先生に言いたくないときは、内密に対応してくれます。
事務の先生から渡された書類を作成
校長先生から事務の先生に話が伝わり、退職に必要な書類の書き方などを教えてくれます。
市町村によって必要な書類は違うので、事前に調べて準備するのではなく、事務の先生に言われた通りに準備することをおすすめします。
お世話になった先生に報告
最終的には、退職することを他の先生も知ることになりますが、お世話になった先生には前もって内密に伝えておきましょう。
あなたに手取り足取り教えてくれた先輩には今までの感謝の気持ちも添えて報告します。
教員を辞めた後の話
初任で教員を辞めたあとは、何をしますか?
- 少し休む
- 転職をする
- 起業する
- フリーランスで働く
- アルバイトをする
- 家業を手伝う
おそらくこのどれかだと思います。
あなたが置かれている状況によって変わってくるとは思いますが、少し休んでみてもいいかもしれませんね。
エネルギーを充電できたら、次に何をするか考えていきましょう。
まとめ
ここまで、初任だけど「教員を辞めたい」って思ってしまった先生に向けて、どうすればいいのか対処法や乗り越え方、考え方を紹介してきました。
先生を辞めること自体はある意味、普通のことですが、初任で辞めるとなると早過ぎないかと不安になりますよね。
でも、周囲の目をあまり気にする必要はありません。
初任で教員を辞めて生じる現実的な問題を最低限把握し、あなた自身のことをまずは一番に考えてください。