ノミやダニの予防は「暑くなったら」と思われがちです。
でも実際に動き出すのは、もっと早い時期です。気がついたときには、もう家の中で増えているということがよくあります。
予防を始める時期は、気温で考えるとわかりやすくなります。
ノミは13℃、マダニは15℃

目安にしたい数字はこの3つです。
- ノミ … 13℃を超えると動けるようになり、18℃前後から活発になる
- マダニ … 15℃前後から活発になる
東京なら、3月から4月にはこの気温に届きます。
だから予防は3月ごろから始めるのが目安です。「4月に入って暖かくなったから」では、すでに動き始めています。
室内は、冬でも13℃を超えている
もうひとつ大事なのがここです。
暖房の効いた部屋は、冬でも13℃を超えています。 ノミにとっては一年じゅう動ける環境です。
最近は暖冬の年も多いので、季節で区切らず一年を通して予防する考え方も広がっています。いつからいつまで予防するかは、住んでいる地域や暮らし方によって変わるので、かかりつけの動物病院で相談して決めてください。
室内飼いでも予防が要る理由
「うちの子は外に出ないから大丈夫」と考える方は多いと思います。
ただ、ノミやダニは外から持ち込まれます。
- 飼い主の服や靴について入ってくる
- 散歩に行く犬が連れて帰ってくる
- ベランダや網戸のすき間から入ってくる
- 動物病院やペットホテルでもらってくる
一緒に暮らしている犬が散歩に行くなら、室内飼いの猫も同じ環境にいると考えてください。
マダニは、人の病気にも関わる
マダニで気をつけたいのは、かゆみだけではありません。
マダニは、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という、人にもうつる感染症のウイルスを運ぶことがあります。犬や猫が感染することもあります。
体調をくずした犬や猫との濃い接触や、咬まれたことで、人に感染した例も報告されています。
ただし、ここは落ち着いて読んでください。健康な犬や猫、室内だけで飼っている犬や猫から人に感染した例は、これまで報告されていません。 必要以上にこわがることはありません。
大事なのは、マダニをつけないことと、ペットの体調がおかしいときは早めに動物病院へ行くことです。
マダニを見つけたら、自分で取らない

散歩のあとにマダニを見つけると、つい引っぱって取りたくなります。
無理に取らないでください。
マダニは口を皮膚に深く刺して血を吸っています。引っぱると口の部分だけが皮膚の中に残り、そこから化膿することがあります。
そのままの状態で、動物病院に連れていってください。
ノミがいるか確かめる方法
ノミは小さくて素早いので、本体を見つけるのは大変です。代わりにフンを探します。
- 毛をかき分けて、地肌を見る(背中、しっぽのつけ根あたり)
- 黒い砂つぶのようなものがあったら取る
- ぬらしたティッシュの上に置いて、軽くつぶす
- 赤茶色ににじんだら、ノミのフン
ノミのフンは血を吸ったあとのものなので、水にとかすと赤くなります。ただの汚れなら、にじみません。
見えているのは、ごく一部
ノミが1匹見つかったら、それは氷山の一角です。
目に見える成虫は、全体の5%ほどといわれています。残りは卵や幼虫、さなぎの状態で、カーペットやソファ、ペットの寝床にいます。
ペット本体だけをどうにかしても、家の中に残っていれば、また増えます。
毎日できる予防
散歩のあとにチェックする
マダニは、毛の薄いところにつきやすいです。
- 耳のまわりと内側
- 目のまわり
- 首のまわり
- わきの下、足のつけ根
- 指のあいだ
散歩から帰ったら、ブラッシングのついでに手でなでて確かめる習慣をつけると、早く見つけられます。換毛期のブラッシングと一緒にやると手間が増えません。春のブラッシングのやり方は 春の換毛期の抜け毛対策 にまとめています。
草むらに入らない
マダニは草むらや、やぶで待っています。散歩のときは、舗装された道を歩くようにするだけで、つく数はかなり減ります。
河川敷や公園の草地、山道に行くときは、とくに注意してください。
寝床をこまめに洗う
ノミの卵や幼虫はペットの寝床にたまります。
- 寝床のカバーやタオルは週に1回は洗う
- カーペットやソファは掃除機をこまめにかける
- 掃除機のゴミはすぐに捨てる(中で育つことがあります)
予防薬は、動物病院で相談する
予防の中心になるのは予防薬です。種類はいくつもあり、ペットの体重や年齢、ほかに飲んでいる薬によって合うものが変わります。
どの薬を、いつから、どのくらいの間隔で使うかは、動物病院で相談して決めてください。 犬と猫で使えるものが違うこともあります。犬用のものを猫に使わないことも覚えておいてください。
季節のケアとして
ノミ・ダニの予防は、季節の変わり目のケアのひとつです。
春は換毛期と重なり、夏は暑さ対策が始まります。暑さへの備えは 犬と猫の夏の熱中症サインと室内でできる対策、秋の抜け毛は 犬の換毛期はいつ? にまとめています。
まとめ
- ノミは13℃を超えると動き、18℃前後から活発になる
- マダニは15℃前後から活発になる
- 予防は3月ごろからが目安。暖かくなってからでは遅い
- 暖房の効いた室内は冬でも13℃を超える。一年を通して予防する考え方もある
- 期間は地域や暮らし方で変わる。動物病院で相談して決める
- 室内飼いでも予防が要る。飼い主の服や散歩する犬が持ち込む
- マダニはSFTSという人にもうつる感染症を運ぶことがある
- ただし健康な犬猫、室内だけで飼う犬猫から人への感染例は報告されていない
- マダニを見つけても自分で引っぱらない。口が残って化膿することがある
- ノミの確認は黒いつぶをぬれたティッシュでつぶし、赤くにじむかを見る
- 目に見える成虫は全体の5%ほど。残りは卵や幼虫で家の中にいる
- 散歩のあとは耳・目・首・わき・指のあいだをなでて確かめる
- 草むらに入らず、舗装された道を歩く
- 寝床は週に1回洗い、掃除機のゴミはすぐ捨てる
- 予防薬の種類や間隔は動物病院で相談する。犬用を猫に使わない

