寒くなってきたので、押し入れから加湿器を出す。水を入れて、スイッチを入れる。
この「そのまま使う」がいちばん危ないところです。
去年の水分と汚れが残ったまま数か月置かれていた機械です。内部にカビや雑菌が繁殖していることがあり、そのまま動かすと部屋じゅうにまき散らすことになります。
加湿器は、きれいな状態でなければ、かえって空気を汚す道具になります。使い始める前の手入れと、選ぶときの基準をまとめます。
使い始める前に、必ず掃除する

出したその日に使いたい気持ちはわかりますが、最初に洗ってください。
基本の手順
- タンクの水を捨て、内部をよくすすぐ
- フィルターを外して、汚れとにおいを確認する
- 本体の水受け皿(トレー)を洗う
- 完全に乾かしてから組み立てる
いちばん汚れているのは、タンクではなく水受け皿です。常に水が溜まっている場所なので、ぬめりが出やすい。ここを見ずにタンクだけ洗って終わりにしている人は多いと思います。
白い固まりにはクエン酸
内部に白い粉やザラザラした固まりが付いていたら、それは水道水のミネラル分(カルキ)です。
クエン酸を溶かした水につけ置きすると落ちます。こすっても取れない汚れなので、力を入れるより浸けるほうが早いです。
においやぬめりには酸素系漂白剤
ぬめりやカビ臭さがあるときは、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使います。
40℃くらいのお湯2Lに大さじ1が目安です。つけ置きしてから、よくすすいでください。
クエン酸と酸素系漂白剤は、目的が違います。 白い固まりはクエン酸、においとぬめりは酸素系。混ぜずに、汚れに合わせて使い分けます。
使っている間の手入れ
シーズン中も放っておくと、すぐ元に戻ります。
水は毎日替える
水道水の除菌効果は、注いでから約1日で失われます。
「まだ残っているから」と継ぎ足すのがいちばんよくありません。残った水は捨てて、タンクをすすいでから新しい水を入れるのが基本です。
ミネラルウォーターや浄水は使わない
意外に思うかもしれませんが、加湿器には水道水です。
ミネラルウォーターや浄水器の水は、塩素が入っていないぶん雑菌が繁殖しやすい。水道水の塩素は、加湿器の中では役に立ちます。
週に1回は洗う
タンクと水受け皿は週1回が目安です。フィルターは製品の指示に従ってください。
「気づいたときにやる」だと結局やらないので、ゴミ出しの日など、決まった曜日に結びつけると続きます。
選び方の基準

これから買うなら、方式の違いを知っておくと選びやすくなります。
| 方式 | 特徴 | 電気代 |
|---|---|---|
| スチーム式 | 加熱するので衛生的。加湿力も高い | 高い |
| 気化式 | 自然に蒸発させる。吹き出しが熱くならない | いちばん安い |
| 超音波式 | 小型でデザインが豊富。水を霧にして飛ばす | 安い |
| ハイブリッド式 | 気化式に加熱を組み合わせたもの。効率がいい | 中くらい |
衛生面を重視するなら加熱するタイプ
スチーム式とハイブリッド式は、水を加熱するので、雑菌の面では有利です。
超音波式は加熱しません。 水をそのまま霧にして飛ばすので、タンクの中が汚れていると、その汚れも一緒にまき散らします。 小型で安価なものが多いぶん、手入れの頻度がそのまま空気の質に直結するタイプだと考えてください。
いちばん大事なのは「洗いやすさ」
方式より、分解して丸洗いできるかを見てください。
- タンクの口が広いか(手が入るか)
- 水受け皿を取り外せるか
- フィルターの交換頻度と価格
- 部品の数が多すぎないか
洗いにくい加湿器は、洗わなくなります。 結果として使わなくなるか、汚れたまま使うことになります。店頭で見られるなら、タンクの口に手が入るかどうかだけでも確認する価値があります。
置き場所
置く場所でも効き方が変わります。
- 部屋の中央寄りに置く。壁際は壁が濡れます
- 床に直置きしない。台の上に置くと湿気が部屋全体に回ります
- 窓際は避ける。冷えた窓の近くだと結露します
- エアコンの風が直接当たらない位置に
- 木製の家具や紙類のそばを避ける
窓際に置くと結露するのは見落としがちです。結露そのものの対策は 窓の結露を防ぐ方法 にまとめました。
湿度は上げすぎない
湿度の目安は40〜60%です。
60%を超えると、今度はカビとダニが増えます。 加湿器を強で回しっぱなしにすると、簡単に超えます。
湿度計を1つ置くのがいちばん確実です。数百円で、判断が正確になります。加湿器なしでできる方法とあわせて 部屋の乾燥対策 にまとめています。
洗濯物の部屋干しも加湿になるので、加湿器と併用すると上がりすぎることがあります。乾かし方は 冬に洗濯物が乾かない理由と早く乾かす方法 をどうぞ。
しまうときも、洗ってから
シーズンが終わったら、洗って完全に乾かしてからしまいます。
濡れたまましまうと、次に出したときにカビだらけになります。来年の自分のために、ここだけはやっておくと楽です。
まとめ
- 去年のまま使うと、内部のカビや雑菌を部屋にまき散らす
- 使い始める前に、タンク・フィルター・水受け皿を洗う
- いちばん汚れているのは水受け皿。タンクだけ洗って終わりにしない
- 白い固まりはクエン酸。こすらずつけ置きする
- ぬめりとにおいは酸素系漂白剤。40℃のお湯2Lに大さじ1が目安
- クエン酸と酸素系は目的が違う。汚れに合わせて使い分ける
- 水は毎日替える。水道水の除菌効果は約1日で失われる
- 継ぎ足さない。残った水は捨ててからすすぐ
- ミネラルウォーターや浄水は使わない。塩素がないぶん雑菌が増える
- タンクと水受け皿は週1回洗う。曜日を決めると続く
- 方式は4つ。加熱するスチーム式とハイブリッド式は衛生面で有利
- 超音波式は加熱しないので、汚れがそのまま空気に出る
- 選ぶ基準でいちばん大事なのは分解して丸洗いできるか
- 洗いにくい加湿器は、洗わなくなる
- 置き場所は部屋の中央寄り・台の上・窓際を避ける
- 湿度は40〜60%。60%超はカビとダニが増える
- しまうときも洗って完全に乾かしてから

